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テレビの国のアリス

昔NHKで放映されていた30分程度のドラマ。
お喋り人物伝などがやっていたころだったと思う。
そのドラマとドラマに使われている音楽が好きで、また見られないかと思っている。
空白は、退廃的でアンチな作風を意識しているが、よく考えてみるとこのドラマの構成や雰囲気を目指していると思う。
また、外せないのがやはり『時空を超えて』
エーフェックス・ツインの音楽を聴いてても次々にイメージがわいてきて、やっぱりストーリーの中に研究室や機械、歴史などを盛り込みたいと思った。

ベースがあまりにも個人的で、卑怯な流れの感じがしたので削除しようかと思ったのだが、むしろ「決めつけ」で描いている部分をもっと人が一瞬にしてそれはどんな状況か掴めるように描いた方がいいと思う。

そうすると、愚痴や非難である雰囲気が、自分自身の中の確執だとか、社会から見た個人の印象へと変化し、話に厚みが出る。

削除するのはむしろ逃げであり、書いた以上はもっと入り込み、人を巻き込んでいき、誰の立場にもなれる(それはないかもしれないが)、等しく当惑するような世界観を構築できるかもしれない。

それにしても『うたたね姫』公開記念の番組で言っていた神山監督の言葉は突き刺さってきた。
震災があってから、彼は『カタストロフィー』のようなものを避けた作品を作ろうと思った、と語ってた。考えてみると、攻殻機動隊は言葉は無機質なものが多くても、繋がりは人間味に溢れていた。そして、それが凄くカッコよく見えてすっかりほれ込んだのだった。笑い男のグループ(彼は居場所を求めて個で移動していたのかもしれない。受け入れられるかどうかより、快適な場所を求めてさまよう感じだった)も、言葉ではない絆のようなものが存在していた。

向うはこちらの事を意識すらしてないのに、もう、神山監督に一撃を食らわされ、目の前が一瞬暗くなった。

トラウマは映像でも刺激されてしまう…。
しかし生きている以上、神山監督と同じ考えでいては成長がないと思う。彼は彼なりのポリシーで、今まで成功してきた。
自分は自分なりのポリシーで、失敗してきた。
失敗するか成功するかはわからないが、自分なりのポリシーを持たないままいきなり神山監督のいる会場になだれ込んで話をする様なことが起こった場合をふと考えてみると、自分の言葉をオウム返しに繰り返されても相手は何も反応しないと思う。もし誰でもいいから意見が聞きたいという場合、多くの人は自分と違う視点の意見を求めると思うので、自分はやはりホロコーストの話を書こうと思った。

自分に大きなトラウマはないが、何故かいつも引っ越しで絶望的な気分になる。引っ越したい気持ちがあったにもかかわらず。それはトラウマなんだと思う。引っ越し業者で働いていた時、楽しい半面移動する居場所のない感じに、完全に外で本当に居場所がない警備員より何か物凄く辛いものを感じた。ものが運ばれて行き、運び込まれて溢れかえる感覚も苦手だ…。荷物で部屋から出られなくなる感覚、そういうのも苦手だ。
自分の場合はゴミ屋敷が綺麗に片づけられた映像を見ると落ち着く。
でも、トラウマの程度は殆どないのと同じ、だからかもしれないが、荷物がどんどん詰め込まれて最後押しつぶされていく、というのになったらつい見てしまうかもしれない。でも本当に押しつぶされた経験をした人は見ただけで呼吸ができなくなったりするかもしれない。

また、トラウマの被害者が、バーチャル的に同じシチュエーションを体験することで、自分がそれを見ても平気だと感じた時、トラウマが治っていく…という治療も実際あるようだ。アメリカの暴力的な映画は多少そういう役割を担っているのかもしれない。

日本でもとても暗い映画がはやった時代があった。そしてそれを見て涙して、救われた。

ただし、刺激は自分がそれを受けたいときに受けるのが効果的だと思う。核心に迫り、治癒できるレベルになる前段階として、限りなく平和で安定した夢のような日々が、とても大切…なようである。

でもこういうことを書く時も実際の資料を持ってきて言わないと説得力に欠ける。
トラウマ治療、これについても後日知識を深めたいと思う。


頭の良い少年が、自分の正義感を振りかざし、誰にも理解されず暴走する話…結構好きだ。
その結末が実は夢でした。というのはがっかりするのでいくところまでいくのがいい。

普通は大体最後理解されて、結局頭がいいからいい方向へ行く。
現実はそうなのだと思う。で、現実はそれを有り難く受け止め、かけがえのない仲間たちと末永くやるというのが歴史でもあるし、自分のスタンダードな現実観はそんな感じだ。

自分の現実観に全く反する世界を描くのが自分にとって刺激である。



※タイトルがテレビの中のアリスではなくて、テレビの国のアリスだったことを思い出して修正しました。失礼いたしました。

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