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【Vol.86】ねえ中世……私、あなたのことがわからないの!!【ジョサスケラ定例報告】

どーもっし! 雨愁軒経です。
月見バーガーを食べたいと言ってから、結局食べていないままもう一週間が経っているということに気付いて呆然としています。皆さまいかがお過ごしでしょうか。

現在の状況は……予定からかなり遅れています。
一応、『戯言遣い』『求刑!』『RD令嬢』共にひとまとまり分の簡易プロットは立てられているので、巻きでいきたいところです。
余談ですが、『RD令嬢』のおっさんズことフランツとカールが若くなりました。フランツは原神のガイアをモデルに、エリカをからかうタイプのシニカルイケメン。カールくんはフレッシュで、文字通り「くん付け」をしたくなるような後輩キャラとなっております。
おかげでちょっとコメディパートが若々しくなった気がしますね。おっさんズの時は、親戚の集まりでだる絡みをしてくる叔父のノリがあったので、そこを消せたのは良かったなと。


さて。
遅れの原因は明らかです。お勉強ですね。特に『求刑!』の方がヤバいです。
先日Xにて、主に女性向けで複数シリーズを出しているプロの方が、ファンタジー作品の時代背景に基づく食品などの扱い方について言及したポストをみかけました。
もっともそこまで問題提起というか、世に問うような発言ではなくて、あくまで独り言のようなポストだったのですが……
まあそうだよなと。そりゃそうよなと。

実際『戯言遣い』の方で、タングステンとのやり取りの中に「かつては肉を塩漬けにして保存していた」という話を出したところ、ありがたいことにコメントで言及していただきまして。
改めて、そういう細かいところって大事だよなあと思ったわけです。

しかし、『戯言遣い』は世界観のベースに魔法がありますから、多少は融通が利きます。ギルドの登録システムなんかも魔力がどうこうと説明していますが、あれぶっちゃけITと同じことしてますからねwwww
また『RD令嬢』もエリカが現代知識を持っているので、ああいった世界・時代には存在しない和の調味料を出すことができたり、おおよそ文化として確立していないだろうレシピを出すことが出来ています。


……問題は『求刑!』です。

たとえばパン。
皆さまは、中世ヨーロッパを舞台にしたファンタジー世界のパンといえば、どういうパンを想像するでしょうか。
はい、大麦やライ麦を使用した、黒く固いパンですね。私もそう思っていました。

しかし考えてみれば、当然小麦というのは存在しているわけで。
国によっては、都市部では割と早い段階で小麦のパン(白パン)はあったようです。
それこそカール大帝の時代(800年頃)には「小麦粉のパンをつくるパン職人を備えおくように」と命じた記録が残っていたのだとか。
(なお黒パンの方が栄養価が高かった模様。この辺りは現代と同じですね)

また、パン作りに重要な「酵母」についてもそうです。
イーストという画期的発明こそ後の時代になりますが、中世では酵母という存在が判明していないだけで、当時の人たちは「神が膨らませてくれるもの」だと思っていたようです。そのためパンに十字(クロス)の切れ込みを入れて焼いていたこともあるのだとか。
そう、膨らんでいたんです。
酵母の概念がないから固く平たいパンというのは誤りというわけですね。

まだまだあります。パンの価値です。
あるところでは、パン窯を設置するのにも税金がかかり、薪代もかかることから、人々は窯を持つ人のところへ捏ねた生地を持参して焼いていました。そのため決まった時間にしか焼くことができず、日持ちのする固いパンが主流となったという説です。
こうした地域では、日本の農民たちが米を年貢としていたように、パンを税として納めていたところもあるんだとか。
しかし一方で、パンを誰でも購入できるよう、常に1ドゥニエ(小さい銀貨)で売るよう国が指示していたというところもあるようです。パンを十分に行き渡らせた上で、かつ『1ドゥニエ』という価値の基準も作っていたということですね。
(ちなみに『求刑!』のコーヒーハウスでエクレシアが小銀貨3枚を支払ったのは、これが元です。銀貨1枚でパン、2枚でコーヒーという内訳)

他にもパン屋と粉屋は分業でトラブルが絶えなかったとか、かと思えば別の資料では「粉挽きから焼きまでの工程をまとめて職人化したものがパン屋」で、しかも国がパン屋を推奨していただとか……


だーーーーっ、もうわけわからん!!(血涙)

中世という括りが広く、さらにヨーロッパという括りも広いため、情報がめちゃくちゃ錯綜しているんですよね。
図書館に行って「へえ~!」と膝を打った情報が、次に向かった書店で「????」となるわけですよ。ええい、やってられっかいてやんでいべらぼうめい。

それこそ『求刑!』の主題財となっている弁護士もそうです。
古代ローマの時代から弁護士(代弁士)という職があり、裁判というものも執り行われていました。
中世ヨーロッパにおいても、主人公エクレシアの名前の由来となった『アドボカトゥス・エクレシアエ』という弁護士の総称があります。
はじめはどちらかというと宗教的な意味合いが強いものでしたが、13世紀頃には今の弁護士とほぼ同義の役職が誕生しています。
当時、裁判費用というものがビジネス的に着目され、「より多く裁判をすれば儲かる!」「いやいやそれじゃ人道的にマズいっしょ」という議論が行われた結果『裁判は三回まで』という決まりができました。これが今の三審制のベースとなったようですね。

一方で、中世はまだまだ神明裁判が続いていた!!という資料もありました。
水に沈めて死ねば有罪、火を渡らせて無事なら無罪、決闘して生き残った方が正義、といったやーつですね。弁護士なんていりません。なんたって神がお裁きくださるのですから。
もちろん、こうしたいわゆる『神判』は、時代と共に「神を試すようなやり方はおかしい」という理由で衰退していくことになります。
ただ、それがいつまでなのかがよく分からない。
管理が徹底されていた都市部では早かったでしょう。地方の農村ではけっこうズルズルやっていたかもしれません。国にもよるでしょうし、王やその町の統治者にもよるでしょう。


……そんなわけで。
このままだと本屋や図書館に通っているだけで一ヶ月が消し飛んでしまいそうなので、一旦勉強を切り上げることにしました。
それに私ちょっと思うんですよ。ここまでごちゃごちゃしていると、おそらく多少間違っていても誰もツッコめないんじゃなかろうかとwwwww

それよりかは、ルールを決めた方がいいのかなと思いました。
たとえば、ビールやワインを飲み散らかしていた時代とはいえガラス技術は進んでいませんから、グラスジョッキは出さないとか。
また反対に、当時はコーヒーをカップからソーサーに移して飲むという飲み方だったらしいのですが、絵面的にばっちぃので不採用だとか。
他には、畳を正方形にしないとか、春に稲刈りをしないとか、神社でお香を炊かないとか、戦国にガードレールを持ち込まないとか、障子を浮かせないとか、そういうやt……おっと誰か来たようだ。


とまあ冗談はさておき。
中世くんと別れ話をしたので、心機一転頑張りたいと思います。
ちょっとその前に、おざなりにしてしまっていた『こえけん』の方を何とかしないといけないのですがwwwww
ちょうど明日が休みなので、月見バーガーを食べてガリガリ行きましょう。


ではでは!!

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