• 現代ドラマ

7月26日

さてさて、仲直りしたボクらですが、やっぱり私と呼ぶりーちゃんに感じる違和感は取れません。
ご飯を食べてても、一緒に遊んでも、寝る前に布団でお話しても。次第にその違和感の原因たる夢とやらに不快感を感じてきます。りーちゃんをりーちゃんらしくさせていないのは、なんだ。
ボクは幼稚な感情のままついにポロッと言ってしまいました。

「さて、ぼ…私は外に出ようかな。よーちゃんは?」
「りーちゃん、そんな事するぐらいなら夢なんて諦めたらいいのに。」
「え、なんで…?ちゃんと説明したよね?」
「そうだけど…でも、やっぱりりーちゃんらしくないもん。りーちゃん無理して私にしようとしてるもん。」
「でも、それは夢を叶えるには必要な事だから。私はその為には努力は惜しまないよ。」
「そんなのりーちゃんじゃないもん!りーちゃん、さっきから全然笑ってないもん!もっとりーちゃんは笑ってたもん!りーちゃんが笑えなくなるような夢なんて、ボク要らないもん!」
「いい加減にして!私の夢は私の夢!よーちゃんには関係ないでしょ!?」
「……え、あぅ…でも…!」

りーちゃんがボクに怒ったのは初めての事でした。まさか怒られるなんて思ってなかったボクはしどろもどろになります。

「それと、なんで私が笑えないか教えてあげよっか…?」
「ちょっと?喧嘩しちゃダメよー?」

叔母さんの声。けど叔母さんがこちらに来る前に決定的な言葉をりーちゃんから聞いてしまいます。

「私がよーちゃんと同じ事しても楽しい訳無いでしょ。よーちゃんほど子供じゃないの。」

さっと踵を返して奥へと消えていくりーちゃん。ボクの見ていた憧れのお姉さんが、どんどん遠のいていきます。
程なくして叔母さんがやって来ます。そこに残っているのは唯一の遊び相手を失った哀れなボクだけ。まだ状況を理解出来ていませんでした。

「よーちゃん、大丈夫?璃乃が何かしたの?」

叔母さんに抱かれて初めて涙が零れてきました。ボクはりーちゃんを怒らせてしまった。りーちゃんに嫌われてしまったんだ。そう認識すると涙が止まらなくなりました。

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