くる ひなた

　王城でのパーティーの最中に毒を盛られて絶命した侯爵令嬢アヴィス。 　王子の許嫁として清く正しく慎ましく生きてきた彼女の魂は、本来なら天界に行くはずが、気がつくとなぜか魔界にいて…

　高齢の魔王に代わり、人間の箱入り末王女アメリと結婚したのは、魔王の副官を務める青年魔族ローエン。 「出自に問題がある自分は、一国の姫を娶るには分不相応だ」 　そう思い込んでいる…

　二十歳の誕生日の夜、アルバイト先の猫カフェで、先輩スタッフから閉店作業を押し付けられて凹んでいた珠子の側には、仲良しのマンチカン・ミケが寄り添ってくれていた。 　そんな中、子猫…

「あのドレスは似合わない……いえ、ドレスそのものが似合わないのかしら」 　彼女を目にした時、ミットー公爵令嬢ロメリアは、そんな感想を抱いた。 　古くから優れた武官を輩出してきたミ…

　コミュ障気味の元猫カフェ店員珠子が、真っ白モフモフの猫っぽい生き物と衝突したとたん、異世界トリップ!? 　目覚めた場所は戦後処理に苦心するベルンハルト王国。 　何故かトリップ時…

長年暮らした住まいの解体が始まり途方に暮れていた私に、彼はいい物件を紹介すると申し出た。それが、この家だ。確かにいい家だと思うが、判断を下すにはまだ時期尚早だし、何より……

　生まれながらの許嫁である王子を異世界から来た黒髪の聖女に奪われた上、大聖堂の真ん中で婚約破棄を言い渡されてしまった、ダールグレン公爵令嬢アシェラ。 　王子と聖女が周囲の戸惑いに…

生贄同然で嫁ぐことになった末王女アメリアを迎えにきた夫は、王族でも貴族でもない魔族の男ローエンだった。次々と起こる騒動の中で彼と心を通わせ始めたアメリアは、やがて大それた決意を抱…

　記念すべき百代目のヴィンセント国王ウルには、ちっちゃくて可愛い妻がいる。 　しかし、彼がこの幼馴染の愛娘マイリを娶ったのには、王国の創始に関わるのっぴきならない事情があった。 …

　代々コーヒー狂を輩出してきたフォルコ家の娘イヴは、王宮一階大階段脇にあるコーヒー専門店『カフェ・フォルコ』の店長代理を務めている。 　さまざまな獣人の末裔が暮らす世界でコーヒー…

「経由地」「おっさん」のキーワードを使った1000文字以内の超短編。 猫も杓子も異世界転生トリップしまくりな昨今、ブラック極まる労働環境の中、めちゃくちゃ頑張ってるワンオペおっさ…

婚約者である国王陛下の身勝手さに振り回されてばかり。そんな人生に辟易していた公爵令嬢は、どういうわけだか自身とは似ても似つかない、正反対の雰囲気を持つ女性の身体で目を覚ました。 …

夫の浮気により離婚。気分転換に、ちょっといいお宿の部屋付きの露天風呂で月見酒と洒落込んでいた私だったが——次に目を開けるとそこは温室で、どういうわけだか自分自身とは似ても似つかな…

Wi-Fiもなく充電も切れ、早々にただの金属の板と化したスマートフォンだが、日光に当てるとふいに電源が入って画面が表示されることがある。画面に映し出されるのは未来の出来事──彼の…

敬愛する父の仕事着をまとい、墓荒らしに勤しむ少女がある夜掘り当てたのは、透き通るような真っ白い色をした美しい頭蓋骨だった。

　戴冠式から一月後、新しい国王となったウルは、幼馴染ロッツの一人娘を王妃として城へ召し上げた。 　ここに、二十四歳と三歳の年の差夫婦が誕生する。 　事情を知る前国王は、息子のウル…