この度は、第3回角川武蔵野文学賞一般文芸部門の審査員賞をいただくことができ、大変嬉しく思っております。選考に関わられた赤坂憲雄先生、角川武蔵野樹林編集部の皆様方、そしてカクヨムの担当者の皆様に篤く御礼申し上げます。また本作品をカクヨムで公開してからこれまでに読んでくださった皆様、読んでくださっただけでなく評価もしていただいた皆様に心より御礼申し上げます。
受賞作である「狸穴坂」(
https://kakuyomu.jp/works/16817330650052908321)は、今から60年ほど前の武蔵野をイメージして書いた作品です。怪異というにはシリアス味に欠け、ちょっと可笑しくて不思議なお話になっております。私自身の興味関心が歴史や民俗にございますので昔話の雰囲気も織り込んでみました。
その民俗学に関しましては今、私の興味が行き過ぎて病膏肓に入り、研究の領域に踏み込んでいる趣きもございます。そんな私的な事情からも、著名な民俗学研究者である赤坂憲雄先生に選んでいただいた審査員賞はとてもとても光栄な賞なのです。
癖(へき)を評価してもらった!( ゚ω゚)
素直な心の声はともかくも、本作品は文芸の"芸"に力を入れました。描写は冗長にならないように、情報を伝えられる必要最低限に切り詰め、かつ時代の雰囲気を充分に表現するように留意しました。
全体の構成は"どんでん返し"となっておりますが、この構成はこれまで私が何作品か書きながら磨いてきた技術でもあります。この度の受賞で、そんな私の文"芸"をある程度評価していただいたのかな、と勝手ながらに存じます。
今後は課題である"人間を書く"ことを主眼に置き、文芸の技術向上と文学作品を視野に入れた作品作りをしていきたいと思っております。
最後に改めまして受賞の御礼を申し上げます。ありがとうございました!