『ショートストーリー ちよ子レートは明治』は本編『ボディーガード菅原明治』を読んでいなくても大丈夫&一話完結でお届けしてます。本編はこちら→
https://kakuyomu.jp/works/1177354054893254229《登場人物》
坂部ちよ子 : どこにでもいる普通のOL (ほんのり茶髪ミディアムボブ)
菅原明治 : ハイスペック営業マン兼ボディーガード (黒髪イケメン)
☆二人はアパートの隣室同士。リノベーションして押入れで行き来ができます。
* * *
平日の夜、ちよ子はお風呂も上がり、部屋でゆっくり雑誌を読んでいると明治から電話が来た。スマホを取って「何?」と不機嫌に応答するちよ子。
「そっち行っていい?」
「すっぴんだから駄目」
「すっぴん見たい見た〜い♡」
明治は押入れからのそのそやって来るなり「すっぴんも可愛い♡」などと言ってくる。もはや明治がボディーガードだとカミングアウトされた際に一度すっぴんもパジャマ姿も見せているのでどうでもいい気にもなってくる。
「で、何の用?」とちよ子が明治に尋ねる。
「心霊写真特集の番組見てたんだけど怖くて一緒に見よう?」
ピッとテレビをつけて二人並んで観賞。
「きゃぁぁぁぁ! 」
明治は『ベルサイユの○ら』のマリーアントワネットのような顔付きになって怖がり、ちよ子の二の腕にしがみついた。
「おい、触るな」
「だってーだってー、怖いー!」
「じゃあ見なければいいでしょ!」
「でも見たいんだも〜ん……」
きゃるんと涙目で上目遣いしてくる明治を無視して腕を取っ払い、代わりにふわふわのうさぎさんのぬいぐるみを明治に渡した。
そして途中から動物番組「癒して! もふもふワンコとニャンコ大集合♡」に切り替えて二人は怖さを吹っ飛ばしたのだった。
「ちよ子ちゃん……。今日、押入れ開けたまま寝ていい……?」
「いいわけないでしょ!!」
《終わり》