羽田空港で起きた日本航空と海上保安庁の航空機事故を受けて、国内の航空機事故の撲滅を目指す「航空安全推進連絡会議」(東京都大田区・永井丈道議長)は、運輸安全委員会による事故調査が何より優先されるべきであり、通例となっている警察の刑事捜査が優先されるべきではないとする「緊急声明」を出した。1月3日付。(弁護士ドットコム)
航空機事故が発生した原因の究明と再発防止を優先させるべきであり、刑事事件として当事者の責任を明らかにし、処罰を加えることはしなくてよいという声明。
医療事故に対しても、当事者(医療従事者)側からこうした意見は出るんですよね。「原因究明と再発防止が優先」であると。責任の所在を明らかにして処罰する捜査が同時に進むと、事故当事者が本当のことを話さなくなり、真の原因究明につながらないという理屈です。もっともです。
ただ、その一方で、こうした対応は事故被害者の感情を逆撫でするんですよね。誰のせいでこんなことになったのか? 一刻も早く知りたい、そして処罰を受けさせたい被害者側から見ると「事故責任の不存在」と「犯人隠し」にほかなりませんから。
実際は刑事事件としての捜査が粛々と進められると思います。そのなかで事故当事者が嘘をつくことなく、原因究明が正しく行われることを祈りたいです。