「人生舐めまくってたギャルが優しい陰キャくんにガチ恋しちゃう話」をお読みくださり、ありがとうございました。
みなさまの応援のお陰で、無事に完結することができました。
この作品は物凄く難産で、何回も書き直しを行いました……。一年近く書いて、ようやく44話で完結するという、なかなか苦労した作品でした(汗)。特に深雪を描くのが大変で、彼女のことを理解するのにすごく時間が要りました。読者のみなさまには、大変読み辛い作品だったことを、ここにお詫び申し上げます。
しかし、難産だった分、思い入れもあります。健治や佳奈、深雪たちを書くことがもうないんだなと思うと、やはり寂しい気持ちになります。
『生きている内に、想いを伝えよう』
たったこの一言を伝えるために、一年近く頭を悩ませてきました。
このテーマを書き切るには、佳奈の描写ももちろん大事ですが、それと同じくらい大事だったのは深雪の描写でした。
彼女が最後に「お姉ちゃんのこと大好きだよ」という台詞が、この作品の大きなポイントになりました。
ベースは恋愛小説なので、佳奈が健治へ想いを告げるところが主軸となりますが、『想いを伝える大切さ』というのは、何も恋愛に限った話ではなく、家族や友人にもいつだって想いは伝えてあげてほしいという私の気持ちを、深雪に託したのです。
だから恋愛部分とは離れた要素になりますが、物語のテーマとして深雪は非常に重要な人物でした。健治とは付き合えない運命を背負わせてしまいましたが、彼女は彼女なりの幸せを見つけてくれたみたいで、私としても安心しています。
作品の中でもくどいほど書いていますが、大切な人も、いつかはあなたの元からいなくなってしまいます。
私事ですが、私の母は私が学生の頃にいなくなりました。父のことが嫌いすぎて、夜逃げしたのです。
なので朝起きたら、机の上に手紙だけを残して、母は消えていました。私の弟も、母とともにいなくなっていました。それっきり、二人には会っていません。伝えたいことがたくさんありましたが、もうそれも叶いません。
人生にはたくさんの出会いと別れがあります。人生を全うするというのは、その出会いと別れを受け入れて、そのことを愛せることだと思います。それを悟った佳奈たちだからこそ、素晴らしい人生を謳歌できたんじゃないかと思います。
どうか、今この瞬間を大事に、愛してる人へ、愛してると伝えることを怖がらずにいてください。
私も頑張って、そう生きようと思います。
この作品を読んでくださったあなたと、あなたの愛する人が少しでも一緒に、長くそばにいられることを、心よりお祈りしています。
崖の上のジェントルメンより