「結界???」
仕事中だというのに、私はこの二文字から目が離せなかった。
プレゼンの資料を探している最中だった。
普段開かないようなイベント用品関連の会社のホームページ。目的の商品ページの左側。製品一覧の一番最後に取って付けたような「結界」の文字。
なにを考えているんだと頭を振る。仕事に戻ろう。置いてきたはずの中二病精神がこちらを見ているが、そんなの無視すればいい。友と新たな印を開発した日々はもはや過ぎ去ったことだ。
カチッ。白い矢印が「結界」の文字の上で小さく震える。
フレキシブルタイプ。バータイプ。フラットタイプ。種類ごとに区切られた””空間展示用”の結界、観覧者が作品に近づきすぎない為の、バーがずらりと並んだ。
「あ~~~そ~だよな~~」
がっくしとうなだれながら画面を閉じた。
ほんの少しだけ、少しだけわくわくしたのに。