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物語が始まらない『しゃぼん玉飛んだ』

クラシック音楽が流れている。曲名は分からないがなんだか懐かしい。
辺りに浮かぶしゃぼん玉は大窓からの光を浴びて、変幻自在にその色を変えている。

音楽に合わせて手を動かす。オーケストラの指揮者のように、小さく、大きく。
指先は柔らかく、意思が伝わるように。

手の動きに反応して、しゃぼん玉がふわりふわりと移動・・・・・・しない。

(あれ、前は出来たのにな)

焦りが伝わったのか、いくつかのしゃぼん玉が割れた。

「なにをしている」

スネイプ先生の眉間の縦じわが深くなる。

やばいやばい、と焦りばかりが大きくなる。
あんなに練習したのに。
自由に動かせるまでになっていたのに。
少し離れただけで、これほど出来なくなるものか。

(240717 夢日記)

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