こどものころから父親が嫌いでした
今も嫌いです
その憎しみを持った17歳の顎男は
長編の小説を書き上げました
憎しみはちからになる
俺はそのとき学びました
しかし今では父も老いて
大病したりしています
物語ならここで和解が入るところですが
そんな物語はゴミクズです
憎いと思ったなら
憎むのです
そうしないと 憎いと思った
自分が可哀想です
今日また引っ越しで
父と離れます
それが嬉しくて仕方ないし
心が安まる
またいつか この憎しみが
俺に何かを作らせるなら
俺はこの憎しみを受け入れます
頭を下げて 目をとじ 耳をふさぎ 許しをこうても
この世界は俺を許さないから