えー、曽呂利でございます。
今回は5.8万PV記念の第二段、王宮前広場周辺の略図ですね。正直言って必要かどうかを聞かれると目を逸らすしかないのですが、まあ、ちょっとしたスケッチ代わりとしてご覧下さい。
で、いきなりですが、この王宮前広場は実際には南北に3~4倍ほど広いです。作図の都合上南北に圧縮していますので脳内補完して下さい。何せ正月恒例の菓子撒きにはこの広場に一万人ほど一般参賀の皆さんが集まりますので、それくらいの人を収容出来るスペースだと思って下さいね。
ご覧の通り、広場の南西側には宗家であるデヴォ―ニア・メジェロ公爵家を筆頭にメジェロ七家のお屋敷が並んでいます。南東側はデュルケーム公爵家を筆頭にそれ以外の皆さんのお屋敷が並んでいます。王国貴族のパワーバランスがこのお屋敷の配置ににじみ出ています。
ノーザンの政治体制は立憲君主制に近いのですが、王が宰相を任命し、貴族院が賛同すれば宰相が組閣します。そして宰相府が予算案や法案を立案し貴族院が審議し、可決すれば法案予算案が成立します。
但し、宰相府の予算案や法案はあくまでもノーザン大公家の物です。王国貴族はノーザン憲章に違反しない限り、領地をどう経営しようと自由です。ですが、そのノーザン憲章にある王国民の移動の自由の保障がネックになっています。
つまり、王領より税を上げたり賦役を増やしたりすると領民が王領に逃げ出しますが、これを力づくで止める事は許されません。ですから、大公家の統治に干渉する事で自領からの領民や産業の流出を防ごうとする訳ですね。貴族に取っては切実な話ばかりになりますから、貴族院の審議はいつも白熱します。
貴族院の上にあるグリフォンズ倶楽部は上級貴族向けの慈善団体です。ノーザン貴族はノブレス・オブリージュを強く求められますから、それを体現した様な団体です。
グリフォンズ倶楽部の西に馬場がありますが、さらに西には競馬場があります。もちろん、ノーザン貴族の皆さんが耳に赤鉛筆を挟みながら競馬新聞を片手に集まる訳ではなく、穀倉地帯べリア平野の北のべリア平原は東大陸最大の馬産地だからですね。ノーザン貴族はみんな安価で良馬なノーザン産駒に乗るのが大好きなんですよ。
マリス教の神殿は新都には二つあります。内城外にマリス教トップの大神官長がいる大神殿、内城内に三人しかいない大神官の一人がいる貴族専用の神殿があります。ちなみに、他の二人の大神官は旧都と学都の大神殿にいます。
それと、全王妃には公邸が用意されていますが、そこに住まなきゃならない義務はありません。王妃は夜だけ王宮の私室に詰めれば良いだけです。特に三人の子を産んでノブレス・オブリージュを果たした王妃は王宮に出仕する義務もありません。ですから、エカテリーナ妃は第一王妃としての公務がある時以外はメジェロ宗家の屋敷に居ます。