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『夏色ビターチョコレート』あとがき

書き終えて一言、「長い」というのが正直な感想である。
本作の一話目をカクヨムで公開したのが二〇二三年九月であるから、なんと完結まで一年以上もかかっている。
間にいくつか他の作品(カクヨム未公開)を仕上げているとはいえ、さすがに時間がかかり過ぎである。
反省することは多々あれど、まずは更新を待ってくださった読者の皆さまに、心からの御礼を。
作品を誰かが読んでくれているということは、作者にとって一番の喜びです。
本当に、いつもありがとうございます。

さて、完結まで長い時間を要した今作だが、内容もこれまた長くなってしまった。
文字数にして二十万字超。前作『テンダーブルーの箱庭』より七万字も多い。
その理由は、おそらく今作の主人公が前作よりもロマンチストだからだろうと作者は踏んでいる。決して、作者の筆力のせいではない(と、思いたい)。
これほど長文の作品では応募先も限られているので、今回はカクヨムコンに応募することにした。
少しでも多くの方に読んで頂けると嬉しい。

前作の話を少し。
前作は残念ながら「東京創元社×カクヨム 学園ミステリ大賞」にて落選という結果であった。悔しいが、初めて書き上げた長編が入選するほど甘い世界ではないのは当然である(しかし、悔しいものは悔しい)。
応援して頂いた皆様には、この場を借りて御礼申し上げます。
結果は残念でしたが、箱庭シリーズは最後まで書き上げるつもりです。
最後までどうぞお付き合いください。

それでは、堅苦しい挨拶はここまでにして、改めまして今作のお話について。
箱庭シリーズ第二作、今回は「恋」のお話です。
「愛は真心、恋は下心」という言葉にもあるように、恋とは自分本位な一面もあるようです。
作中にはいくつかの恋模様が描かれていましたが、さて、それぞれの想いは実を結ぶのでしょうか?
それは、――作者にもわかりません。
無責任というなかれ。人の想いというものは季節のようにうつろうものです。
決して作者が物語の行末を考えていない言い訳ではありませんので、悪しからず。
ちなみに、箱庭三部作はそれぞれが独立した話になっております。
今作のみでも楽しめますが、前作『テンダーブルーの箱庭』も合わせてお読み頂くと、よりいっそう〈彼ら〉の世界を楽しむことができます。
あの時のセリフやあの行動はそういうことだったのか、と新たな発見があるやもしれません。
未読の方は、この機会にご一読頂けますと幸いです。

次回は三部作ラストとなります。
仮題は『さよなら、ライラック』。
次作もお楽しみ頂けましたら幸いです。

2025年1月
伏目しい

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