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150円 花屋

住宅街の路地に無人の花屋ができた。

どうやらこの土地の主が自分の家の庭に咲いた花を摘んで束にしているらしい。
少しずつバランスの違う中からひと束選び、貯金箱のような箱に小銭を落とす。

「お、まいったな」小銭が足りない。
50円が悩ましい。
「まぁいいか。これだけの花を買おうと思えば500円はするだろうし」と
200円を入れようとして気がついた。
花代150円也の横に、もしくは150円相当の物
と書いてあるのを。

「もしくは…相当の物…」
私は自分の荷物をゴソゴソとあさり、
ボールペンを、、いや。メモ帳、ポストイット…いやいや。
ハンカチを…いや、未使用のマスク…
予備の靴下…、

結局150円相当の物は見つからず、
200円を缶に落とし、この花束をもらって帰って来た。

試されているような気持ちになって。

4件のコメント

  • 元気そうっていうか、採れたてで活きが良いっていうか。
    あ、花にかける言葉じゃないか笑。
    でもこれで150円って安いよね。200円でも安い。
    150円って何かあるかな? って考えてもあんまり浮かばなかった。
    自販機の500mlペットボトル飲料とか? ちょっといいチョコとか?
    なかなかそんなの持って歩いてないよー。
    予備の靴下、にはウケたけど。
    チヨコちゃんのバッグ、他に何が入ってるのか見せてもらいたいくらいだ👀

    ……なんかね、凹んでるっていうか。んん。凹んでるんだな笑
    だから、良いもの見せてもらいました。花はいいね。やっぱり。
    ありがと❁
  • いやあ、いい話ですねえ。
    どうしてエッセイとして発表されないのかと思いながら読んだら、最後に活けられた花の写真。

    写真付きエッセイですね!
  • 満つるさん
    え、どーした?
    ヘコむ時あるよねー。
    私もしょっちゅう嫌な気持ちだわ…。
    単純だからちょっと良いことあるとすぐに忘れるというか嫌な気持ちを薄れさせる事はできるんだけど…。
    ま、その繰り返しですわ。(╭☞•́⍛•̀)╭☞
    うじうじしながらがんばろう。

    このお花売りは面白くて、この間は青シソと唐辛子の束も売っていたわ♪
    飾るような小さいかぼちゃが並んでる事もあって。どんな人がやってるんだろう字を見た感じではおばさんなんだけどな。
  • レネさん
    そうなのです。写真付きエッセイ。
    絵日記みたいなもんですわ(๑¯◡¯๑)うふふ
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