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神武東征とは? 神話を知らない方に向けて簡単に解説します。






 戦前戦中までは小学校教育で日本神話を習っていたため、「神武東征とはなにか?」知っている人も多かったことでしょうが、いまに至っては古事記や日本書紀に興味がある人でもなければ、知らない人もいらっしゃることだと思います。
 ここでは神武東征についてご存じない方のために、簡単に説明していきたいと思います。



 神武天皇は日向国(宮崎県)で誕生し、45歳のときに大和を目指して旅立つことを決意したと、日本書紀にはあります。
 九州で大きな船を作り、兵士をたくさん載せて瀬戸内海を通り、大阪湾に入りました。最短距離で大和へ入国しようと考えたんですね。


 当時の大阪湾は水位がいまより高かったせいで、ずっと遠浅の海が広く続いていたようです。ユニバなんてとっくに水の中です。生駒山のあたりまでは海だったとする説もあります。


 神武天皇が大阪湾に入港すると、敵から攻撃を受けます。敵対するのはナガスネビコという男。不思議な名前ですが、「手足が長かったから」「長く拗ねたから」などの説あります。


 ナガスネビコは攻め入ってくる敵に対し、非常に有効なゲリラ戦術をひき、生駒の山の上から草木に隠れて弓矢による一斉射撃をあびせ、神武天皇を敗退させました。


 この戦いでぼろぼろに負けてしまった神武天皇ですが、いまさら国へ引きかえすわけにはいきません。
 満身創痍でもう一度船に乗り込み、ぐるりと和歌山湾を周航し、今度は紀伊半島側の新宮市のあたりから上陸し、熊野古道をとおって大和入りし、今度はナガスネヒコの背後を突こうと考えたのです。

(作中、熊に襲われて人事不肖に陥り、そのときサヒに出会うというエピソードを入れましたが、それがちょうどこの熊野での出来事です)

 途中、大変な苦労をしながらようやく宇陀まで出て、宇陀でエウカシを討ちます。その後、ヤソタケルやシキヒコを討伐し、順調に勝ち進んでいきます。
 神武天皇は、戦のさなかで兄・イツセを亡くし、紀伊半島沖で暴風雨に遭い、二番目の兄・イナヒと三番目の兄・ミケイリノも亡くしています。
 そんなどん底を味わった神武天皇なので、ようやく運が巡ってきたといったところかもしれません。



 そしていよいよナガスネヒコと相対し、激戦が繰り広げられます。
 戦は互角。なかなか勝負がつかず、結局ナガスネの主君たるニギハヤヒに諭され、それでも納得しなかったナガスネヒコは、ニギハヤヒによって殺されてしまう…。
 そんな、(戦記モノとしては)ちょっとスッキリしないようなお話です。



 しかしこの神武東征譚、現代のワタシが素直に読んでいくと、「まったくよくわからない」。納得できない箇所がたくさんありました。

 そもそも神武が九州から大和へ攻め入ったことの動機がまず「はっきりしない」。
「東にいい国があるぞ」って聞いたから侵攻したというのでは、あまりに説得力にかける。
 動機がはっきりしなければ、神武はただの侵略者になってしまうのではないだろうか。これではナガスネヒコは自国を守るために戦ったにすぎない(むしろ被害者)ことになり、いくら美化したところで、神武の侵略戦争を正当化することができるだろうか?


 それに途中から急に出てきたニギハヤヒは、「戦争なんて知らんかった」みたいな他人事の顔で出てくるけど、なに本当に知らんかったん? 知らんはずないよね?
 しらっこいわ〜。







 ずっと「古代を舞台にした物語を書いてみたい」と思っていた私。
 その中でも、神代と人の世のちょうど中間、ファンタジーとリアルのちょうどはざまにある「神武天皇」の時代は、私が生涯かけてでも一度は書いてみたいと夢みていました。

 しかし小説にするにはあまりにも情報が足りなすぎ、古代って物語としてぜんぜん成立しない。
 悩みに悩んでいたところ……そこで出会ったのが「ホツマツタエ」でした。
 ホツマツタエを知ることによって、霧が晴れるようにいろんなことがつながっていったという感じ。



 ……で実は、構想なんと5年です(汗)、この小説。
 しかも、一回書ききって納得いかず、破棄しています(大汗)
 感想「難しい」「苦しい」「やめたい」
 なんど思ったことかwww

 それでも「書くしかない」。
 書かないと死ねない。
 そんな気持ちで書いています。





……以上、閑話休題でした。





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