たたなずく山々の、そのまたむこう。
曲がりくねった一本道のそのはてに…
ドキュメンタリー映画「鳥の道を越えて」の上映会場
「五毛座」はありました。
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かつて冬に本州にわたってくる渡り鳥を捕獲し、
「冬のごちそう」として食していた文化が、
この東濃地方にはあります。
四方を山で囲まれたこの地方に住む人々にとって、
渡り鳥は貴重なタンパク源だったのです。
しかし。
野鳥を一網打尽に捕獲することができる「カスミ網猟」。
その猟法は戦後GHQなどの働きかけによって法整備され、
猟が「違法」とされてから、「失われた文化」となっていきました。
………この映画では、
戦後「ご法度」になってしまったカスミ網猟に焦点を当て、
いったいどんな方法で鳥を捕まえたのか?
どのくらいの鳥が補猟されていたのか?
どのくらいの規模、区域で行われた文化なのか?
鳥を食べていたのはなぜなのか?
など、さまざまな視点で分析し、
丁寧な取材とインタビューによって構成された労作でした。
めちゃくちゃマニアックな内容なのですが、その実、
平成26年度 文化庁映画賞 文化記録映画優秀賞
第88回 キネマ旬報ベストテン 文化映画部門第1位
第2回 グリーンイメージ国際環境映像祭 グリーンイメージ賞
第56回 科学技術映像祭 内閣総理大臣賞
……というバケモン級の評価をされています。
いや、すさまじい。
もちろん、誰もが知る「歴史」も面白いのですが
人の記憶から次第にうすれ、やがては消えていく民俗学的な「歴史」にこそ、人々の生活の息吹と脈動を肌で感じることができる気がします。
書として、文字として残ることがなかった「口伝」、
それを映像にして、後世に残したこの作品は、
ものすごく文化的価値が高いものだと思いました。
まさに、プライスレス。
たいへん貴重な記録を拝見することができ、とても興味深く、有意義な時間を過ごすことができました。
ありがとうございました。