今書いている『さよなら極楽また明日。』は、エッセイを小説に置換するようなイメージでやってます。
スポーツものを純粋に書くなら、未来は分からないほうが楽しいんじゃないかと思います。この小説もそうした書き方をした方がもしかしたらよかった可能性もあります。
だけど、結果的には、語り手は未来の、おそらく競技についてすでにほとんどやるべきことをやり尽くしてきた主人公になりました。物語は高校入学当時、まだ陸上をしていない時から始まっていますが、その頃を懐かしく振り返っているような形で書かれています。
エッセイはたいていの場合、過去の経験を書くことが多いので、この小説はエッセイ風小説です。