ミニエピソード『春のお妃選び競技会』完結しました。
お付き合いいただきありがとうございました。
まったく下書きせず、ほぼぶっつけ本番でしたが、悪ノリというのか驚くほどスラスラ書けました。楽しかったです。
【裏話】
・本編連載中、けっこう前から考えていたお話でした。
・ゲーム・オブ・スローンズの原作(『氷と炎の歌』シリーズ)が好きで、蟹の話(北部領からカニが送ってくる)と、ここで出てくる代理戦士(チャンピオン)の設定はどちらも同シリーズから借用しました。手元に本がないので、正確には覚えていないんですが・・・。
・「カッカッカッカッ」とヒールであらわれて、周囲の注目のなか「ビッターン!」と転ぶ、というのは、最近映画の予告編で何度か見て、ラブコメのヒロインっぽくてかわいいと思って入れました。
・ヒュダリオンの暑い応援は、「松岡修三 名言」でググって適当にそれっぽく書きました。
・「料理」で課題になっていた「スープ餃子」はオンブリアの家庭の味。これは、舞台設定を考えるときに衣装の参考にしたジョージア(旧グルジア)の郷土料理をイメージしました。コリアンダーが入った小籠包みたいな料理だそうです。おいしそう。
・鎧の「面頬」が、あげるものなのか下げるものなのかわからず、投稿前にあげたり下げたり書き直しました。どっち?
・気がつくと、途中からファニーが空気になってる
・フィルがエピソードのもっと前半(競技会の前、準備段階)から帰国しているというバージョンも考えていました。ノート後半にその設定のおまけあり。
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今回の投稿のお供は:
・「麗しき悪女たち」(ドラマ『ファーストクラス』サントラより)
女同士の容赦なき戦い。
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☆評価ありがとうございます!
@kurun94さま:第一部・第二部と読み進んでいただき、うれしいです。
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【ボツ部】リアナとフィルと楽しい筋トレ
(前述の、フィルが競技会の前から帰国しているバージョンのボツ原稿)
(③の後半、6.あたりに入ります)
彼女は、ミヤミの指導のもと、筋トレを開始した。
「まずは器具を使わない、自重トレーニングからはじめるのがいいと思います。腕立て伏せやスクワットなどですね。簡単に見えますが、続けることで大きな効果を得られます」
そして、ミヤミはそのうちのひとつをリアナにやってみせた。続いて彼女にやらせ、角度や姿勢を細かくチェックした。「正しい姿勢で行わないと、身体をいためることもあるのです」
筋トレにはげむリアナと、指導を行っているミヤミを、わりと近くから見守っている男がいた。〈ハートレス〉たちの英雄、フィルバート・スターバウだ。
彼はミヤミにむかって、『その役目を俺に代われ』という目をした。テオあたりならひと目で縮みあがる、例の言葉よりも多くを語る上官の目つきだ。
だが、ミヤミは若くて従軍経験もなく、テオほど上官と疎通がとれているわけではなかった。敬愛するフィルのアイトークにぱっと顔を輝かせ、
『今日のお昼はバラ肉シチューらしいですよ』
という目で答えた。そして、『わかってますよ』という顔つきになり、ぐっ!と親指を立ててみせた。
違う!! とフィルは心の中で叫んだ。なぜ俺が今日の昼食について部下と目線で語ると思うんだ。
(終わり)
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今後はレビューお礼企画が、あと二本つづきます。