本日も甲冑してきました。
今日は十字鍔のついた片手剣を使ってみたのですが、まあ思うように技が使えない!
>>相手はギャンベゾンを着込んでいたので気絶には至らないだろうが、追撃している余裕はない。横合いから木の棍棒を持った男が殴りかかってきたからだ。咄嗟に鍋を掲げてガード。力が拮抗し、相手の棍棒が上で、僕の鍋が下の形で静止する。
フリーデさんとの戦闘訓練で学んだ事だが、こちらの武器術は「得物同士が触れ合ってから」発生する技が多い。当然、こういう状況で使える技もある。<< ――181話より引用
本編で出した通り、西洋剣術には得物同士が触れ合ってから発生する技が多いのですが、具体的には「①剣と剣の刃同士が食い込み合って離れなくなる(バインド)」という状態や、「②十字鍔で相手の剣を受け止めた状態」から発生する技が多いのです。
しかし木剣を使う競技ですと、①の状況が発生しません。木剣同士は食い込み合わないので離れてしまいます。②もほぼ同じです。
解決策としては「相手の剣戟と全く同じエネルギーで受ける」……つまり同じ運動エネルギーをぶつけ合ってゼロにすれば、完全に静止した=擬似的にバインドした状態が生まれるよネ! という事になるのですが。言うは易しで、読みきれずに押し切られたり、逆に弾き返しちゃったりするわけです。剣術活かすにはまだまだ練習が足りないですねえ。
さて添付画像を見て頂きたいのですが、左が僕がよくやる二刀流の構え方、右がヨアヒム・マイヤー(Joahim Meyer)の「剣技の芸術(Kunst des Fechtens)」の挿絵です。
僕がやっているのは競技(見た目が何でも、革鎧と鎖帷子を着けているとみなす)、マイヤーのは素肌剣術(防具を何も身に着けない)という違いがありますが、それがこういう差異を生んでいます。
「何故こういう構えになる?」と考えてみると面白いかもしれません。オチ丸投げですが、今日はこのあたりで。