今日はアーチェリーをしてきました。
使用した弓は先日購入したハンガリー(マジャール)弓。弦の引き方は親指に弦を引っ掛けて引く「モンゴル式」。弓道の引き方と似ていますね。
モンゴル式ドローでは矢は弓の(自分から見て)右側に番えます。この様式だと素早く矢を番えることが出来るうえ、矢を人差し指の側面で「おさえる」ことになるので、揺れる馬上でも矢を安定して保持出来る、と言われています。
――試してきました。
なるほど確かに番えるのはスムーズ。右手で矢筒から矢を引き抜き、そのまま弓の右側につける。これだけで番える動作はほぼ終わる。
そして親指で弦を引けば、人差し指の側面で矢が左側に押さえつけられて安定する。確かに揺れる馬上でも矢がポロンしないでしょう。
――ただ、ここに問題があります。矢を押さえつけるということは、圧力あるいは摩擦をかけるということ。この圧力・摩擦は矢の飛び方に影響を及ぼします。
何度引いても同じ圧力・摩擦をかけられるなら、何も問題はないでしょう。理想的には。
そもそも原理的には弓矢という道具は「同じ射形・同じ力で引いて放てば、同じところに矢が飛ぶ」という代物です。ですが人間はコンピュータ制御の精密機械ではないので、それは難しい(それが出来れば達人と呼ばれることでしょう)。こういった状況に「矢にかける圧力」という変数が加わるのがモンゴル式ドローです。なるほどこれは習得が難しい。
――さて一方で現代アーチェリーはどうなっているのかというと、こちらは「地中海式」ドローを採用しています。人差し指・中指・薬指の3指を用いて弦を引く。そして矢は弓の左側に番える。
この様式だと、矢にかかる圧力は存在しません。矢は弓を握った左手の上にポンと置かれるだけ。モンゴル式で生じる「矢にかける圧力」という変数が存在しないため、「同じ射形・同じ力で引いて放つ」という理想が実現しやすくなります。実に合理的です。
ただこの様式、「左手から矢がぽろっと落ちる」という現象が生じやすい。矢を保持する圧力がないのだから当然ですが、揺れる馬上だと致命的に不都合なのは想像に難くないですね。
また、左番えである関係上、番える動作はどうしても遅くなります。右手で矢筒から引き抜いた矢を弓の左側に回すのは、数瞬のロスです。速射向きではない。
――現代アーチェリーのドローイングは馬上射撃と速射に向いていないのだ! まあ当然ですね、そんな競技ないですからね!(やっている海外の有志たちはいる)
ですが我々が心奪われた中世ヨーロッパではどうだったのでしょうか。
中世(1000年超の期間)ヨーロッパ(ひろい)という問題は慇懃に無視しつつ、乗馬弓兵はいても弓騎兵は希少種だったかの地域では――
(文章が長くなっていることに気づく)(創作論でやれよ)(そもそもお前は弓じゃなくて剣術がメイン趣味だろ)(巨乳礼賛主義者たちを殲滅せよ)(資料をもっと準備しろ)
……やめよっかこの話!
オマケ画像は地中海式ドローとモンゴル式ドローの簡易図解+弓を構えている筆者(14歳女子高生成人済ロリサキュバス)の写真です。良い夢見てね。チャオ!