2023年3月4日 23:07
第1章
俺はいま、
ーピンチだ!
なぜなら、この四角い部屋に、閉じ込められているからだ。
上は白い天井。
横は白い壁。
真後ろは、小さな小窓。
前は木のどあ。
ちなみに、
ー極めつけは、おれを縛り付ける椅子⁉︎
…トイレだよ?
北九州市が世界に誇る
TOTO
は、すいません、はずせません。
そんなふうに唸ってたら悪魔の足音がヒタヒタと忍び寄ってきた。
ーまて、まだ、俺は腹が痛いんだ!
どうしてこうなった⁉︎
床にはー。
ん?
ドアからでも、小窓からも出れる、だと?
ふざけんな!
ここをどこだと、思ってる!
ー合コン会場の、トイレだ!
腹下したんだ!いま!
ーかっこつけて、ぴちぴちの薄着できたから。
腹がピービーなんだ!
脱出できない。
どうすんだ⁈
俺は、ひたすら、嫌な汗が背中をつたうのを感じた。
ーヒタヒタ、たまに、どん?って奇妙にものにぶつかる音がしながら、
なにかがやってくる、
まて?
待ってくれ!
ー俺はいま、この場所から動けないんだ!
日本が世界に誇るTO TO。
誇り高き、トイレ。
どっかの道の駅に億単位のトイレがあったな?
あれ、使えるのか?
くだらない事で、気を紛らわせてせても、ヒタヒタと音がする。
待ってくれ?
たのむから、待ってくれ?
俺が焦るのには、意味がある、小さなこの居酒屋には、男女共通で、このトイレしかない。
ようは、こもってたら、
ー大魔神だとバレる。
聖なる夜に、なんで、俺は、
ー合コンでトイレにいるんだ⁉︎
俺にサンタのプレゼントをくれるなら、
います、ラッパのマークをくれ!
って願ってたら、
ーブビプブップーブー♪
俺にもサンタはいたみたいだ、
ー聖なる夜に、盛大に、祝福のベル、
ビッグベ○の変わりに、ラッパがファンファーレをならした。
が、いま、俺はまだ焦ってる。
なぜなら、
ーヒタヒタ、ドン。
奇妙な足音がいまだにきこえる。
たぶん。
ートイレの花子さんだ!
おれを恐怖のどん底に落とすやつは、きっと、妖怪だ!
ん?
あれは、男のトイレにでるのか?
そもそも妖怪か?
いや、怪談だから、怪獣か?
ーヒタヒタ、
奇妙な足音が近づいてくる。
俺は、妖怪退治の、なんか坊さんが持ってるガラガラをふりまくる。
ートイレットペーパーが。よく回る。
流しすぎには、注意だが、それどころじゃない!
ガラガラまわし、どうにか、どえらい吸引力を発揮する俺の大切な桃をトイレという川から救い出す。
ようは、立ち上がり、急いでスプレーを手にする。
便利な消臭スプレーをこれでもかと、ふりまくり、ふと気づいた、
ースプレーくさい。
やりすぎたが、ヤツはまたない。
ヒタヒタ、ドン。
ードンってなんだよ?
疑問に思いながらスプレー缶をおき、カギをあけた、瞬間、
「ながーい?けど、セーフ」
って、入れ替わりに、ふわっといい香りがまったが、
ートイレの消臭剤は偉大だった。
扉がしまり、俺はタメ息がでた。
ーセーフ?
いや、アウトだろ?
一瞬、感じたあまいにおいは、やっぱり一瞬で、
消臭スプレーに抹殺された。
いや、消されたのか文字通り?
消しゴムや黒板消しすげー。
ん?あれ、どっちがさきだろ?
そもそも筆でかいて、どうやってけしたんだ?
どうやって、読んだんだ?
疑問に思ったけど、入ったの女性だよな?
顔はわかんないけど、ヤベェよな?
ー便座から離れた俺の桃がひえる。
俺、なんで薄着なんだろ?
ー勘弁してください。俺が何をした?
先輩が休みを変われと言ったのを、拒否したな?
どうやっても、パワハラならぬ、パチハラだ。
ー頼む!きょうは新台入れ替えで、大チャンスなんだ!
いやだよ?それしたら、俺の貴重な休みが年明けまでなくなる。
家族持ちなら考えたが、パチンコが恋人の先輩だ。ちなみに先輩と言っても15歳上のバツイチだ。
子供はいなかったらしいが、いまも別れた嫁さんに惚れてるのかは、わからないが、独身だ。
パチハラに付き合う気はないし、通ってるスポーツジムで、忘年会と称した、中身は合コンが開催された。
勝手に悪友が俺の分まで参加費払ってた。回収されたけど、まあ、スポーツジムだ。
ー察してくれ?
筋肉は、人に、見せるために、ある!
男女関係なく、
ー筋肉は、人に、見せるために、ある!
だ。
えっ?いらない?
プロテイン、まずそう?
なんでテカテカ?
ーテカテカの意味はわからないけど、俺は鍛えても、まわりほど体格には恵まれてない。
身長は平均だし、鍛えてもすぐにライザッ◯には、慣れない。
地道にジム通いで、サボるとつい筋肉はおちる。
食べ物はタンパク質を中心には、してるけど、食事のバランスは、職業柄つい気にはなる。
ビールっばらは、いやなんで、ハイボールだ。
飲み放題だと、原価率悪い気はするけど。
あんまり酔わないしな。理性がなくなるは、ないけど。
ーそういえば、さっきのヒタヒタ、ドンってー。
俺は、トイレを振り返る。
そして、トイレに続く通路をみる。
いやな予感がする。
どう考えても、
ー花子さんは、未成年、
いま飲酒うるさいぞ?
壁ドン小学生でやるのか?
いや、そもそも花子さん、ご年齢は?
ジムは、まあ、老若男女いるけど。めちゃくちゃ鍛えてる高齢者いるけど。
個人的には、年号が若返るほど、ストレスに弱いのかな?があるけど。
ーなんで花子さんは、女子トイレだ?
そもそも今日は、場所柄、未成年は、参加させてない。
ー昔、福岡は哀しみにくれた道がある。やるせない道は、けど、いまもたくさんの家族連れがわくわくする場所になってるし。
たくさんの飲酒が、いろんなことを学ばせてせ、哀しみが、やっぱり、いろんな法律を改正していく。
ただ、法改正に慎重にならざる得ないは、わかる。簡単にその日の気分であっさりかわるなら、独裁者だろ?
なんで介護保険やほかの法律には、定期的な法改正あるのに、ほかはやんないのかなあ?
ートイレの花子さんが残ってるからか?
壁ドン、か?
ー?ドカベン?
なんか違うし、読んだことない。
穴開くぞ?ってふつうに思ってたし、まあ、俺くらいでも、居酒屋の壁に穴は開けられるよな?
ーいや、無理か。この壁、コンクリートだな。
俺が住んでる安いボロアパートとは、違うよなあ。
まあ、立地考えたら、破格だけど。家賃で8万とか簡単にこえて、学生の仕送りにビックリしたけど。
一急性アルコール中毒で毎春、亡くなってたよな。
真面目に受験勉強したら、そうなるのかな。
そういう意味では、俺はラッキーか?そういえば、パチハラの先輩は、
ーラッキ◯ストライク。
ってタバコだったかなあ?
じいちゃんは、若葉にechoだったかな?
俺は喫煙はないけど。パチンコも行って、ハマるという勝ち方したけど、
ー苦手な音。
ただ、まあ、じぃちゃん、ばあちゃんが一円パチンコしてる姿は、不思議ではある。
正直、エアコンや空気清浄機は、フル装備もともとしてるんだろうなあ?は、見てて思うけど。
ーなんで、俺はわざわざ探しに、行ってたのかな?
託児所があったら、ダメなんかな?
ーあれ、たぶん、依存か中毒だ。死ぬときに死ぬほど後悔したって、遅いし、あんだけ強気だったくせに、
都合のいい後悔だな?って、心底おもうけど、依存や中毒があるかぎり、なくならないなら、違う主題に切り替えてくしかないんじゃないかなあ?
そもそも、依存や中毒じゃないなら、判断つくだろ?
絶対にダメだけど、依存や中毒は、きっと本人たちにはわからない。
減らないなら、取り締まるだけでは、防げない。
居酒屋やなんかはキッズルームあるけど。
って、なんとなく思うけど。
ー依存と中毒は、無理だしなあ。
ふっと、我に返って、ほかの趣味に変えたって人もいるけど。あんまりいない。
活字中毒や、カフェイン中毒etc。けど、依存症とは自ら言わないよなあ。
なんで極端にそっちになるんだろ?
そして、
ーヒタヒタ、
は、
まあ、裸足?か、ストッキングか?
靴下でも生地により?
けど、
ードンは、違うよなあ。
気づかなきゃ良かったな。
花子さんは、未成年。
ここには、いないよな?
じゃあ、
ヒタヒタ、ドン。
ーまさにドンかよ?
って後から、思ったな。まったく意識してなかったし?
便座の春から解放された桃尻に、エアコンが少し届かないトイレの狭い通路は、きびくて、
ー俺の腹が、
ドカ、ベン。
ラッパがファンファーレで、パチンコのなんだかな?
スタート?サインだった。
ような、ラッパのマーク欲しい。
ヒタヒタ、ドン。
やっぱり、花子さんか?
俺の背中を冷や汗がおちた。
俺は一心不乱に拝んでる。
頼む、トイレの神様。
あの音を、早く響かせてくれ?
トイレの花子様、どうか、頼むから、
ーガラガラしてください。
あのお坊さんが持ってるガラガラなる杖って、なんだろ?
神社いくと、たしかに鈴は、ガラガラだよなあ。
りんりんでは、ない。
そもそもあれ、鈴なのか?
聖なる夜のリンリンは、
ーパンダにいたか?
あれ、ビックリしたよなあ。
しばらく、中国人は同じ音の名前だと信じていた。
ただ、なんで、じゃあ、パンダは、
ー熊猫?
ー?
だったけど、俺がよくめにする雷門は、雷だから、ガラガラか?
違う、
ーゴロゴロじゃん?
まて!待ってくれ!
いま、
いま、
いまは!
ーガラガラがいい!
リンリンでもいい!
ーゴロゴロはやめて!
ラッパのファンファーレはまだはやい!
祝福の鐘は、くれてやる!
ーガラガラをくれ!
ガラガラヘビはいらないが、赤ん坊があそんでるだろ?
陽気なガラガラにいけよ?
ーガラガラヘビは、俺によってこいか?
ベイビーには、よりつくな?
なら、ゴロゴロも、俺にカモンベイビー?
いやだー!
内心でわけわかんねー、ってツッコミながら、
無垢なベイビーには、やっぱりあのガラガラだろ?
あまーいパンのヒーローにでてくる、
ー赤ちゃん◯ン。
持ってるよな?
器用に、おしゃぶりしながら、おしゃべりするぞ?
最強だぞ?
だけど、まあ、ベイビーだ。
俺はあのガラガラはとらないぞ!
ガラガラヘビは、砂場に確かいたよなあ?
砂漠か?
ー俺は、いま、
さらば、はら?
無理じゃね?
さあ、はら?
ー無理じゃね?
ラッパはいやだ!羊飼いはラッパいる!
いや、そもそもラッパのマークはいま欲しい?
ーどっちだよ⁈
ーいま、俺が、ありえねーだろ?
だって、トイレの花子さんは、女子トイレにいるんだぞ!
女子が入ってるなら、女子トイレ⁈
ガラガラきいたら、セクハラか?
ーセクハラ。
急く腹。
だれか、助けてくれ!
俺がひとりで、ダジャレ合戦していると、ようやく、あの鈴がなった。
いや、あれ、鐘か?
ーどっち⁈
ヒモは両方についてるよな?
けど、もうお寺の鐘は、オートだよな?
オートでいいよな?墓もなんか最新のやつすごいし。
東京タワーの展望台からは、お寺ばかりだぞ?
いや、あれ、そもそも足元みないのか?
遠くみるなら、寺関係ないよな?
昔、六本木ヒルズ?とかいう場所で確か屋上ヘリポートに行って、親戚から恨まれたことある。
ー興味あるから、一緒にいこう。
誘われたの俺だし?なんで高所恐怖症なくせに、人はビルや吊り橋なんかに、金だして行くんだろ?
いや、その金じゃねーだろ?
鐘は時なり。
ん?
金は時なり?
どっちだよ?
どっちでもねえよ?
時は鐘なり?
時は金なり?
どっちでも、あり⁈
だってオートで時間知らせるぞ?
いや、いまも人力があるは、知ってるが。
ーどっちがふえてるんだ?
いや、スマホあるなら、調べろよ?
いや、スマホだすより、当たり前に最初なら少ないだろ?
目新しいものが、ふつうになるんだ。
過程は大事。
あの過程は、家庭なのか?
そういえば、今日、目当てらしいな?
誰だか知らないけど。
ふと、思考がまともになった時、
ーがらがら。
俺の念願!
気分は、ピンポンダッシュ!
ーガラガラ。
とは、違う。
ダッシュでやれよ!
こっちの腹は、どうみても、競歩がアウトになるぞ!
めちゃくちゃ過酷だぞ!容赦ないぞ!
いや、待って、いまはごめんなさい?
お願いルールいらないから、フライングゆるすから!
ートイレの花子さん出てきてください!
いや、出る時俺いたら、へんじゃね?
慌てて、首を左右にブンブン振り回す。
子供のころ、友達とやって、扇風機壊れて、羽根だけ飛ぶやつ。
いやカバーがとんで、扇風機本体は倒れたまま、わりとまわる。
ースイッチ切ってねーから。
いまは、オートできれるのか?
時代はオートだ。
そして、俺の腹は、
ーいや、嘔吐したらダメだろ!
けど、もはや。
だって、待ったよなあ?
いましゃがんだら、この鍛えた腹筋がパッパパラパワー♪
絶対にふきだす。
俺は桃尻を抑えながら、ジリジリと扉とせめて距離をとる。
本音は、花子さん!花子さん!
はやくでて?
だけど、ここは、耐えどころ!
マッスルするとき、ここ、いちばん、あと、もう一回?
ーいや、ふんばっちゃダメだろ?
というか長くないか⁉︎
花子さん?
いつまで、トイレだ?花子さん⁈
しまった!
ここ、トイレの中に洗面台だ!あれ、なんだ?
洗面台であってるよな?
男子トイレでは、そうだよな?
けど、女子トイレは、違う使い方だよな?
えっ?なんで知ってるか?
俺を何歳だと思ってるんだ?
えっ?落ち着きないから、20代?
バカいうな!
俺は、いま脂のたぎった、30代だ。
油には乗らない。絶対滑るし。
って、冷静な30代だ!しかも32歳、微妙なとしだぞ!
若手でもなく、熟練でもなく、わかったか!
これがリアルで、
ーなんていうんだ?
中間管理職の使いパシリ?
いやうちの職場は、走ったらだめだぞ?
いや、いま、走りたい!
が、まて、入ったのは、花子さんだ。
俺は脂汗をかきながら、桃尻を両方の手でもむ。
ほんとは腹をさすりたいが、ヤバい気がするから、桃尻を揉むふりして、その場足踏みをしてる。
決して、我慢してるわけじゃない!
ぎゅっと、桃尻をつまみ、たえる。
が、おそいなあ。
床を見て、上をみて、床をみて、上を見て、扉みて。
ー来たー!
扉の向こうに人影が!
ーん?
なんで消えた。
手には、なんか、持ってるな。
あれ、メイク道具か!
あの!
あの!
あーの!
…なんて言うんだ?
とりあえず、必需品?いや、必需品じゃないのもいるな?
あれ、なんていうの?
シンデレラが魔法かかるやつが?
ああ、魔法の道具ね?
って、ちがーう!
俺のその場足踏みが早くなる。もはや競歩はラストスパート!
フライングどころか、ずーっといるけど。
ここがもはやゴールか?
なら、よくね?
よくねーよ!
こうなったら、いかにも気づきませんでした、作戦か?
知らないフリして、トイレに近づこう。
俺は、その場足踏みをとめて、桃尻は押さえつつ、一歩を慎重にふみだした時、
ー天から奇跡の扉がひらいた。