シン・Love is suddenly〜空色マジック(2)


 ようやく、天のおでまし!

俺の頭がリンリンリン♪

もうひとつ、おまけに、

リンリンリン♪

頭の中で盛大にサンタクロースとトナカイが、

ーラッパ吹きそう。

そもそもトイレから出てきたばかりの女性をみるのも、マナー違反?

マナーは、理解してはじめてマナーではあるけど。

口ににも地域にも、それこそ家庭単位で異なるよなあ。

まあ、それをすり合わせ統一していって、いつのまにかマナーになんのかな?

とは、いえ、俺は女子がトイレから、でてきて、

ーやーい?う◯こなんていう悪ガキではないし、

ーいま、でた女の子可愛かったから、すぐトイレにいく!

って学生時代に言って悪友でもない。

あれ、周囲もドン引きで、自分がトイレ行くのをごまかしたかは、知らない。

とりあえず、俺は目線を下にずらして、トイレに行こうとし、ギョッとした!

ーへっ?

だ。

いま、へ、は、ヤバいが、もはや、

「へっ⁈」

思いっきり、声がでて、花子さんが振り返る。

ヤバい、そっちは、トイレと真逆だぞ?

ーなんでだよ?

見てしまったら、どうしょうもないぞ!

俺は桃尻をつかみながら、ピンポンダッシュの勢いで、花子さんの前方をふさぐ。

これぞ、

ーピンポイント、ダッシュだ。

略してピンポンダッシュ?

あってるよな?

花子さんがビックリしてる。

その顔をみて、第一印象は、

ーああ、この人かあ。

だった。顔立ちとスタイルがもはや違う。

今日の合コンのメインターゲットか。

ばらまかれた俺たち、餌にくいつくのか?

俺たちやすいぞ?なんなら、賞味期限切れたパンでもいいし?

酔っ払いはしてるが、花子さんはどう見ても高級品だ。

しかも、ここはジムの打ち上げという名の合コン。

スポーツジムは身体を鍛えてる。

きっと俺をにらんできた。

「どいてください」

ナンパと思われた?

俺こそ、いまのいままで、

ートイレからどいて?だったぞ!

ひどくね?まあ、俺が勝手にトイレの前でうなってただけで、花子さん関係ない、は、わかるが。

そうだ、俺はトイレにいきたい。

だから、無言で指差した。

「ーなに?」

「スカート」

短い単語を言う。これでわからないなら、ダメだろ?

「えっ?あっ!えっ?」

自分のスカートをチェックしだした花子さんの脇を通り過ぎて、やっと、トイレの前に辿り着いたとき、

うしろで小さな悲鳴が上がっていた。

ー意外と冷静な花子さんだな?

もっと、大きな悲鳴をあげるかと思ってた。


俺はスッキリ爽快とまでは、行かないが、危機は脱した。

あの悲鳴以来、ヒタヒタ、ドンもきこえない。

タッタラタター♪

花子様は、ふつうに女の子になりました。

いや、女の子か。

ーまあ、ヒタヒタはともかく、ドンはきこえなかったから、ふつうに、みんのところに戻ったんだろ。

あの様子からして、ドンは、壁ドンであってただろうし。

傍迷惑な花子さんだ。

…小学生はお酒のんだらいけません。

というか、ドンはだめだし、スカートアウトだろ?

まあ、洗面所の鏡は、正面しか映さないけど、隠しカメラや盗聴器は、ふつうにもうリアルなんかな?

俺は興味ないけど、もうそういう趣味か?は、わかる。

違法性がないなら、いいのかな?

いや、盗撮は違法だよな?

なんというか、まともなAVがまとも?で、ネットに勝つって真面目に、

ー怖っ!

俺、娘いたらどうすをだろ?

俺の年齢なら、もうまわりは、子持ちいるしなあ。

マジで親バカいるしなあ。

俺は鏡に映る俺をみる。

別に変ではない。平均身長には、まけるが、170は低くはないだろ?

えっ?ギリギリ170はおかしい?

バカいえ、それならもっとサバを読む。

シークレットシューズ知ってるか?


ちなみにハイヒールの踵の部分にかかる力ってすげーぞ?

中学以上を対象の科学本に必ずでるぞ?たぶん、履くようになるからか?

いまいち不思議だけど。

あんまり踏まれたくないし、なんであんなの履くんだろ?

しかもストッキングではくよな?静電気ってどうなるんだ?

俺はいまいち、よくわからない。ただ俺は、32歳には見えないらしい。

身長や体型もあんのかなあ。

そういえば、20歳過ぎてタバコ吸ってるとよく職質うけた。

原チャリの免許証見せたけど、べんりな身分証明書だから、免許返納率悪かったか?

けど、マイナンバーカードに変わってくのかなあ。

そんないろんな、カードいらないし。マイナンバーも、いろんなカメラも、なんかもう抵抗してもムダか?

がある。たぶん、利用していくやつが勝っていく世界になるんだろうなあ?

よくわからないけど。だって、発行されなくても、ナンバー化はされてるわけだしなあ。

そのうちいろんな機能が追加でいくのかなあ?

まあ、不思議だけど、まあ、不思議だ。

たぶん、俺は見てるだけだな?

あの花子さんとも、あれきりだろうし。

俺の見た目がわるいとは思わないけど、俺の場合、話すと大抵の場合、オネエさまに間違えられる。

見た目が童顔もあるからか、いまいち声変わりがうまく機能しなかったのか?

よくわからないけど、望み通りの声にはならなかったなあ。

俺だって、恋愛経験はあるけど、いまはまだ腹一杯な気もする。

まあ、数合わせだし、適当にながすか。


…なんで、いるんだ?

俺はついいま出てきた扉を目指して、

ー回れ右しそうになる。

いまさら回れ右、回れ左、は、わかるが、

ーまわれ後ろは、飛ぶのか?

ってたまに思う。

着地わりと難しい。

ダンスみてるとマジですごいなあ?だけど。

この場合、回れ右でも、どれでもいい。

ーなんでいるんだ?花子さん。

いくらラッパのマークでも、そこは考えて?

だ。

たまに女子にめちゃくちゃ優しすぎない?俺たち男子の権利は?

って思うけど、いまはたくさんいろんな権利がいりまざから、まあ、うーん?

ー不思議だなあ?しかないかなあ。

別に車椅子マークは、赤ちゃんのオムツ交換があり、いまは男子トイレにも交換台ふえたしなあ。

小学校から、和式トイレを使えるようになっててくれ、って入学前に通知来る。

トイレは進化して行くけど、いまだに公衆トイレなんか、和式はある。

使い方をしるは、わかるよなあ。

金持ってるなら、水洗やトイレの便座変えれるけど。

まあ、金は、かかるんだよなあ。

トイレは生活習慣で、入院した病院がオートすぎると流し方を忘れて帰ってきた。

ーマジか?


ー俺、いまガラガラしたよな?

ジャーしたよな?

ここ、オートじゃないよな?

オートだとつまらないのか?

最近、ネットでトイレットペーパーの戦いをみて、大爆したが、あれはたぶんコメディちがうよな?

わりと切実?な問題だったけど、トイレットペーパーにツボってた。

まさかいるとは、思わなかったから、消臭剤はふりまいてない。

ーどうしたい?俺よ?

二択だよな?

回れ右してトイレに戻って、スマホで花子さん退治を調べて、消臭剤ふりまく。

か、

そのまま会釈して、みんなのところ戻る。

…ふつうに一択じゃね?

あきれながら、俺はできるだけ目線をそらし、軽く会釈をして、通り過ぎようとしたら、

「待ちなさい!」

「へっ?」

思いっきり、腕をつかまれて、ビックリした。

そして、

ーやわらかい。

もきゅっ、とした感触に、

あっ、久しぶりだ。

なんて呑気に思ったけど。

ーマジか?

ビックリして、少しひいた。

…花子さん、怖かった。

「…みたわよね?」

冤罪だと、素直に思った。

むしろ、いま、俺の腕に押してけきてるから、

ー俺が訴えていい?

って思うけど、

「みたんでしょ?」

俺の少し下から見上げてくる花子さんは、きれいな人だった。


世の中の10分の9が美人って言うよなあ?

のこりは、価値基準がそれぞれだから、100%かはわかんないけど。

俺はたぶんあってる?美人だよな?

今日の合コンのメインヒロインだろうし?

名前なんて言ってたかなあ?

ー豪田雪夜。

…花子さん、雪女だったのか?

豪雪地方の雪の夜。たしかに米は有名だよな?

雪女の伝説は、いろんな意味があるよなあ。

あれはたしか母親が幼い子にきかせるんだ。

雪の夜の危険性を知ってほしいから。

ただし、きくかは、知らない。

ーマイナスでも出ていきやがる。

もはや、やがる?だ。

風邪ひきやがれ!って、思ったら、マジで風邪ひいてくるから、

ーずっこける。

なんのコントするんだよ?

マジか?

マジだ。

アホなのか?

ーどっちが?

問われたら考えはするが、

ー納得いかないぞ?さすがに怒るぞ?

というか、

…コントはひとりでやってろ?

俺、いまなんのコントに巻き込まれてるんだろ?

大道芸人がよくやるよな?道端の人巻き込むやつ。

あれ、わりと、逃げたい。

というか、逃げようと思うけど、

ーいまの俺だよな?

振り解いたらたぶん怪我させるくらい強いんですけど?

もきゅっ、が、

ーむぎゅー、

なってますけど⁈

「…胸があたってますが?」

ボカシはしなかった。

この場合、もはやストレートがいい。

はやく離れてくれよ?

俺は自制心わりとある?くらいの認識しかないぞ。

わりとで、そこは自己評価だぞ?人に比べてはわかんないぞ?


わりとで、そこは自己評価だぞ?人に比べてはわかんないぞ?

俺はわりとだ。

素直にわりとだよなあ。まあ、なんにも経験したことない時よりは、マシになったかなあ。

ーめんどくさい。

も増えた気もする。なんというか、恋愛に夢をみないも年齢分ある気もする。

これ、想い想われふりふられ?

あれのままだよな?


おもいおもわれ、ふりふられ。

恋そめし乙女だったか?

わりと人気があったよなあ?

Eテレ子供番組での歌。

可愛かった。

…だれだ?俺を変態って言ったやつ!

出てこい!俺は年齢重視しないぞ!

あれ?この表現も文句ありか?

表現の自由って…。

新しい法律いるんじゃね?

ぼうお茶会が雇用を見直したとき、情報が漏れたとき、整理後の人数見たとき、

ーまあ、そうだろうなあ。

情報を管理したいなら、絶対的に人の口を封じたいだろう。

端末より、簡単に漏れていくよなあ。

個人向けに広がりすぎたから、修正しなおしが、いろんなところで起きてくるだろうし。

なんて現実逃避していたら、

「わざとあててるの!」

「へっ?」

「だって、おかしいじゃない?私の下着みたんでしょ?ふつうなら注意しないでしょ?」

…いや、雪積もってたら、さらに注意するだろ?雪女さん。

どういう理屈でそうなるんだ?

俺はあきれて、目線を下にずらす。

ー酔っ払いがいる。

たしかに美人だけど、

ー酔っ払い、だ。

まあ、なるほど?




「ー何回かやったことがあるのに、治らないと?」

雪女ー、もとい豪田さんは、パッと俺から手を離し、慌ててスカートをおさえた。
  
「どうして、わかるの?」

…ぎゃくに、どうしてわからないと思うんだ?

とは、おもったが、酔っ払いが涙目になってるから、口にはださなかった。

これだけの美人なら、大変なんだろなあ?

俺はポケットをさぐり、目当てのブツをとりだした。

そして、涙目の雪女さんの髪をくしゃっと触れる。

あれ?雪女に触れたらダメだっけ?

「ーなっ⁈」

すぐに手を離した、俺の手と入れ替わりに豪田さんは、両手を髪におく。

その無防備な口を俺は頂くことにした。

ーたんにポケットにあった二日酔い対策のタブレット(機械じゃないぞ?)を放り込んだ。

「頭少し冷やしてからきなよ?酔っ払いの雪女さん」

ー花子さんと間違うから。

俺はようやく、トイレと花子さんから、脱出した。


なんでまた、

ーもきゅっ?

俺はまた、もきゅっとするものを腕におしつけられてる。

俺、脱走成功したよな?

なんで、この人、俺のとなりに、いつのまにかいるんだ?

しかもなんで密着してくるんだ?

いったい俺が、なにをした⁈

ー雪女の髪にふれた。

たしかに? 

ふれたら、命狙われるんだったか?

まて、この場合、命じゃなく、居心地じゃね?

最近、チャレンジ番組で、なんかDan Danって歌をきいたぞ?

そこだけ印象に残ったけど、だんだん、居場所なくね?だって、左右に雪女花子さんと、その友人に挟まれてる。

ーなぜに⁈


ここで、漫画やアニメなら、

ー説明しよう?

って冷静なアナウンス流れるよな?

俺が現実逃避しかけたら、

「ねえ、ねえ、飲まないの?」

酔っ払いの雪女花子さん、もとい豪田さんが俺のグラスをしめすが、

ーなにする気だ?

「ー俺の財布、あんまり入ってないっすよ?」

酒に強いかと言われたら、残念ながら、ここにいるヤローどもの中ではいちばん弱い。

弱いから、あまりのまないし?というか、弱いだろ?豪田さん。

セキュリティよわすぎね?

いや、セキュリティはある意味、大切だけどさ?


酒に強いかと言われたら、残念ながら、ここにいるヤローどもの中ではいちばん弱い。

弱いから、あまりのまないし?というか、弱いだろ?豪田さん。

セキュリティよわすぎね?

いや、セキュリティはある意味、大切だけどさ?

ーマジでやばいから?

助けて?いや、入りたいよ?けど、どっから入るんだ⁈が、たまにあるから、難しいよなあ。

合鍵代めちゃくちゃ高いし、事務所持ちなる時あるし?

腑に落ちないが命に変えられないけど。いや、そのうち、変わるのかなあ?

ーもきゅ。

が、また俺を現実にもどすけど、そのたびに俺は頭が冷静になっていく。

なんとなくだけど、これは、もうくせだよなあ?

ー酔っ払いいると、あまり飲めなくなる。

とくに異性ならなおさらだ。

俺は軽くため息をつきながら、さりげなく豪田さんから俺のグラスを遠ざける。

「それに、いまさら一気に飲むほどバカな年齢じゃないし?一応2杯目ですよ」

というか、生ビールじゃないしな。ワインでもなく、ハイボールだ。

だいたい店で違うけど、最初は薄めでどんどん飲ませて、食わせないか、最後はどんどん酔わせて、食わせないか?

ー結局は食わせないのが、俺の知ってる友人の店だ。よくわからない。飲み物で元取るって意味違くね?

ただ、ここは友人の店じゃないから、ふつうにハイボールだけど。

お腹はラッパだしな?


「ふーん?何歳?」

「パチパチキャンディのアイスクリーム屋です」

「31歳かあ」

…頭はまわってるらしい。酒つよいのか?

微妙だな?

ーもきゅ。

いや、やっぱり、酔っ払いだろ?

「せまいし、身動きとれないし、あついから、はなれてくれません?」

アイスクリームみたいに甘くする必要ないよな?

そもそもなんでこの人、ここに居座ってんだ?

まわりに一流商社マンやメーカーいるぞ?

俺はまあ、仕事に誇りはあるけど、学歴も体格も、落ちはしないが、なくはある?

だってそもそも、受験してないしなあ?ただ、俺の資格も技術もまわりは持ってないけど。

まあ、世の中は、うまくできている。ジム仲間が金を落としてくれるから、俺たちの商売ができてるわけで、ジム仲間たちも、たまに、ご褒美で美味いもの食いたいなら、俺たちだし?

ー美味いって思ってくれたら、いいなあ?だけど。

俺にしちゃ、わりと強い言葉だったのに、相変わらずニコニコしてる。

「やっぱり、新鮮だわ、あなた。ね?反応しないなんてー、あなた、やっぱり」

そこで豪田さんは、ひとつ深呼吸すると、

「ーオネェなの?」

いっきに俺をブリザードに巻き込みやがった。

さすがだ。

豪田 雪夜。


ーブリザードは、暴風雪を巻き起こした。

ようは、あまりに合コンヒロインが俺にベタベタしていたことに、白い目で俺をみていたヤローどもが、敵と化した。

「そうなんだ、コイツ中身と違って、オネェみたいなやわらかさで、さ?」

「辛辣だけど、オネェっぽい賢さや、もはや、器がでかいから」

「外見とのギャップすごいけど、いいやつなんだ!」

…この場合、俺は持ち上げられてんのか?

…見下されてんのか?

いや、みんな背はたかいし、鍛えてるから、筋肉モリモリだけど。

酒の勢いで、あることないことほざいてるが、

俺には、なんとなく、わかるんだよなあ。

そりゃあ、俺は恋愛対象はふつうに異性だけど。浅草には、新宿ほどじゃないけど、オネェ系ママの店がある。

俺はスカウトされた事あるし?バイト料はよくて待遇も良さげだった。

あくまで、そのお店はだけど。

俺はもちろん、スカウトを断ったけれど、率のいいバイトとして、割り切ってやってるふつうにヤローがいる。

まあ、あいつはちょっと、俺的にはどうかな?ではあった。

昔のことで、まだいまほどネットなかったけれど、卒業アルバムをみんに見せては、やった女の説明してたな。

ーこういうヤツが、動画とか撮ってながすのか?

冷や汗かいたなあ?

正直、あいつはなにを自慢したいんだ?やった数か?それともモテると言いたいのか?

俺はやった女のなかで、初めてだったやつの数をきいて、ひいたけど。

お前がモテたわけじゃない、は、わかったけれど。

ー俺に娘ができたら、マジ、どうしよう?だったなあ。

モテるモテない関係ない。慣れてるか、慣れないか?

不倫や浮気が病気と同じだ、まあ、最後の恋って、思ってたのは、

ー俺だけ。

ほろ苦く思い出す、

ーことすら、許さないぞ?豪田さん⁈




「ねぇねぇ!俺じゃなくて、私って言ってみてよ!」

「だから、俺は声だけでー」

ーもきゅ。

だめだ、相手は酔っ払いだ。

仕方ない。

不本意だ。

逃げ場ねえし?

なんか無言でとなりの人にも圧がくるんですが?

ーアタシにいっさい触れるな、的な?

セクハラされてるの、いま俺なんですけど⁈

…酔っ払いか?こっちも?いや、このひと、飲んでなくね?


ーもきゅ。

また押し付けてきやがるが、となりからのオーラなんだ?

俺はチラッとハイボールに目をやり、手に取るかまよう。

ーやめといた方が無難かな?

ため息つくと、

「私はさっき、言ったわよ?あなたはおいくつかしら?」

「あはは!うけるー!女性にストレートに年齢きくの?」

べしべし、背中をたたいてくる。

ーグラスもたなくて、正解だった。

が、

ー豪田さん、力強すぎない⁈

キャハハって、無邪気に笑ってるが、

…美人って得だな?

逃げ出せない圧がすげー。


なし崩し的に二次会はカラオケになる。

俺のお箱は、もう、こうなるとヤケだ!

あの有名なアニメ、ドリーの影のスター

八代亜紀さんの歌を入れる。

ー舟唄。

ずーっと豪田さんに絡ませていたけど、俺の大切な歌だし、八代はなんとなく、ふるさとも思い出す。

熱唱して、席にもどると、相変わらずとなりにいた豪田さんが、ガシって腕をつかんできた。

酒臭い息で、

「三次会、ふたりだけでどう?」

なんかテンション下がり気味だけど、酔い冷めたのかな?

俺が口をひらくまえに、

「雪夜をお願いね?」

となりから圧がくる。

「酔い潰れた時用にアドレス交換してください」

「あー、ずるい!私も?」

…酔っ払いは、素直に酔っ払ってろ?


なし崩し的に、豪田さんとアドレスをかわし、2人きりで三次会になった。

その頃には、豪田さんは、少しは酒が抜けたらしい。

そりゃあ、そうだよなあ?

ずーっと、飲み続けるにしては、テンション配分がおかしかったし?

悪酔いするほど、酔っ払いでもなかったはずだ。

「ちゃんと、雪夜を送ってね?」

言外に、

ーちゃんと送らないと、許さない。

ってオーラー満々で彼女の友人が、タクシーにのる、

…マジで2人きりにしたよ?この人。

俺、初対面だぞ?

お持ち帰りには、酔った腹には、ヘビーすぎるぞ?

まあ、居酒屋では、ラッパのマークで、ファンファーレ。

カラオケでは、ヤケクソでうたいまくり、

「小腹すいたね?」

豪田さんが、相変わらず、

ーもきゅ、って腕をくんでくる。

「ちょと?」

「私、いい店知ってるの。行こう!」

グイグイびっばられて、相変わらず、

ーちからつえー。

って、犬みたいにひきづられていた。


三次会は、俺も知ってる寿司屋だった。

週に一度、マグロの中トロが安くなる。

中トロってところが、商売うまいなあ?だけど。

赤身じゃなんか、お得感うすれるし、大トロは値段はるわりに、わりと嫌いなやつもいるし。

ー中トロ。

よく考えたよなあ。庶民の俺でも行きたくなるし、まあ、ずーっと中トロばかり食うわけじゃないし?

そういえば、とろサーモン。

食ったとき、めちゃくちゃ衝撃だったよなあ。

日本でも釣れるしな。ただイクラとって、ポイ捨ては、どうよ?

ちなみにとある九州の海上釣り堀でも釣れる。

こっちはわざわざ放流して、客寄せだ。

30センチくらいだから、あんまり、ひかない。

なにげにマグロって、わかれるよな?

好き嫌い。

東京や関東中心なイメージもある。養殖あるしなあ。

江戸前寿司は文化で職人技で、

ーよくわからない。

って、関西系は言うよな。

たんに醤油が辛い。不思議なほど、醤油にビックリする。

…味が濃い。

けど、人間って慣れるんだよなあ。

ー不思議だ。

ただ、店の看板前に、嫌な記憶もフラッシュバックする。

「…ここですか?」

一応、きいた。避けたいなあ?

で、

「そうよ!行きましょう」

ーもきゅ。

には、勝てない。

ーなんでこんなに、ゴーイングなんだ⁈


避けたいのは、理由がある。

たんに、さけたい。

ちょっと、やりすぎ?いや、穏便?

けど、なんだかなあ?も、後から思う。

若気の至りでは、ないし、というか、まあ、若いよなあ?

べつにアイツが法に触れたわけでもない。見抜けない俺が節穴だったとは、いまはわかる。

ただ、まあ、後味悪いよなあ。

むかし、ナンバしたら、やらせてくれなくちて、すごい山道に女の子を置き去りしたって自慢していた最低野郎を思い出した。

あれより、マシだけど、相手の自由ではある。

まあ、俺にはその発想がないからわからないって思ってたけど、

いまのザマァ、ブームってそういう感情なんだなあ、とはわかる。

まあ、俺的にはスマートに終わらせたつもりだが、

ー俺に、落ち度はなかったか?

ってあとから苦くなった。ザマァはスッキリするのは、あまりない。

そんなことで人をザマァするなら、ふつうになんかおかしな話で、まあ、世界はそう動いていく。

信じられない理屈でザマァし続けていく子供達がいるだろう。

ー大人がつくる。

し、スッキリ感はなかったなあ。

むなしかった。その場で罵り、感情をぶちまけ、終わったら、ちょっとはマシだったかな?

どっちがマシだ?

まあ、それだけ俺のだ?って思ったのかな。

それともバカにされたから、俺は怒ったんかなあ?

あの日以来、なんか嫌になってる。自分が。

後悔というか、違う苦さだ。やりきれなさだ。

ー人は簡単に裏切る。

そうわかってたはずなのに。

ーモキュ。

…ろくなこと、なんねーよなあ?やめとけよ。懲りただろ?

美人すぎる。遊びかもだぞ?勝手な偏見だとは知ってるけど。

だけど、嬉しいかといわれても、目の前の店が苦い記憶をえぐり出す。

ひどいよなあ。えぐり、だす。

くそっ!

って、思うのに。

ーモキュ。

男は弱い。

ーモキュ。


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