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わたしと校長先生とプリンの話

小説を書くまとまった時間がないのでこうして近況ノートやセメタリーに書いてうさを晴らしている今日この頃です。みなさまの創作活動は順調でしょうか。

今日は朝からプリンが食べたくなったので、プリンについての小話を。

何回も書いているのでご存知だと思いますが、わたしは今でいうところのギフテッドでして、おそらくですが思考回路がちょっとだけ人と違うんですね。
わたしが子供の頃はギフテッドなんて言葉がなかったので、ただの変人扱いされておりまして、小二で中学二か中三のドリルをやっていたわたしは他人をバカだと思っていましたし、まわりはわたしをおかしいと思っていたのでそれはもうバチクソ反目していたわけです。先生もやりこめてしまうので手に負えない状態。

するとどうなるかというと、「校長先生預かり」ということになりました。毎日朝礼が終ったら校長室で過ごすんですよ笑。今では考えられないですよね。
幸いというかどうかはわかりませんが、美術や体育のような実技系以外の勉強は不必要ですので、大半は中学のドリルやるか本読むか校長先生と話をするかになるわけです。たまに校長室にお客さんがくるのですが、そんなときでもわたしが校長先生の机の椅子に座り、校長先生は応接ソファーに座るという奇妙な光景に。お客さんもびっくりですよね。

そんな日々を送っていたら、ある日の午前中に校長先生がプリンを持ってわたしがいる校長室に入ってきたのですね。当然、「それ、どうしたんですか?」ってわたしいが聞いたら、「給食室からギって(※盗んで)きた笑」というではないですか。

当時のわたしはまだ小三くらいで、さすがに校長先生は偉くて正しい人だと思っていたのでびっくりしました。今となれば検食用の給食室のサンプルを持ってきたのだと推測でますけど、当時は純粋だったのですね。

で、そのプリンを二人でいただくことになりました。給食にはまだ早い時間に食べるそのプリンはなんだかめちゃくちゃ特別に感じでおいしかったんですね。それといい歳のおじさん校長先生が子供みたいな笑顔で食べるのがおかしくて大笑いしてしまいました。

食べ終わり、見つからないようにとカップをゴミ箱に片付けると、校長先生がわたしに向かって「校長先生だってただの人間なんだよ」って言いました。当時のわたしはそれを照れ隠しなんだと思って可笑しくてまた笑ってしまったのですが、おそらく当時は人を下にしか見られないわたしに人間であることの基本的なことを教えてくれたのだと思います。

以来、プリンを見ると当時の校長先生を思い出すのですが、同時に自分の未熟さと尊大さを感じて恥じてしまいます。それでいながら甘いプリンはとても美味しいのでついつい食べたくなってしまって買い込んでしまうのでした。



8件のコメント

  • プッチンプリンや駄菓子屋にあったミニプリンは甘くて好きでした。

    新幹線の皿にのったお子様ランチや、プリンアラモードには特別感がありましたね。*ˊᵕˋ)੭

    ※思い出補正あると思いますが
  • 素敵な校長先生ですね。いいお話でした。(とても感動しました!)
  • 素敵な思い出ですね。
    成人してしばらく経つけど、子供の頃思っていたほど大人は大人ではないのだなと思います。

    ちなみに私が得意なお菓子の一つはプリンです。
    苦めのカラメルと生地硬めの蒸し焼きプリン。
    家族にはあっさりが好評ですが、たまに生クリームとバニラビーンズを使って高級感を出したりします。

    しかし私自身はカスタード系の味が好きではないので味見もしません。笑
  • いい先生に出会えてよかったですね(⌒∇⌒)
    校長先生になるべくしてなられたような方だと思います。
  • 鳥尾巻さんのプリンが食べたくなりました。

    校長室の想い出、いいですね。
  • 子供の頃のそういう体験はずっと心に残りますね。校長先生、素敵な先生ですね。

    私も鳥尾巻さまのプリンが食べたいです!そのタイプのプリンが一番好きなのに、娘たちがぷるんぷるんのが食べたいと言うので、いつもアガーで作っています…。
  • ギフテッドより変人のほうが好き。変人=変えられる人。
    小2で中3のドリルって天才! ってはならなかったんですかね🤔
  • たしか食中毒対策に、校長先生が最初に給食食べて毒見係すると聞いたことあります。

    握ってきた。ってのはお茶目な表現かとw
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