• 異世界ファンタジー
  • 現代ドラマ

25/09/11 自作語り①(短編回)

お疲れ様です。宴です。

飽きもせず長々と執筆活動に取り組んでいた甲斐あってといいますか、最近しばしばレビューや感想コメントを頂けることがあり、皆様方におかれましては格別の感謝を伝えたく存じます。かねてよりご愛顧いただき誠にありがとうございます。

さて、これより下はチヤホヤされて舞い上がった人間の自作語りとなります。ただでさえ筆が遅いくせに遊んでんじゃねーよと自分で突っ込みを入れたくなりますが、振り返りないし整理がてらと名目すれば差し支えないかと思います。コレクションに纏めてある、〈宴短編スマホ特化型〉、〈宴短編〉、〈宴長編〉の順に言及してまいります。


〇目と目が合う三秒間

こちらは公式で企画されている、〈1分で読める創作小説2025〉に応募するべく執筆したものになります。通学中に男女がぶつかり、相互に悪罵しながら別れ、「まあもう二度と会うことはあるまい」と高を括っていたら同じ学校に通うことになり――――というような古典的恋愛モノの冒頭を踏襲したような作品になっています。満足している点としては1400字の中にフリとオチとを過不足なく成立させられたことを挙げたいです。主人公とヒロインのやり取りもサバサバと軽快な塩梅で展開させられたかと思います。

ただし、恋愛モノとして売り出すにしては、その手の魅力を詰め込み損ねているなとも自戒しております。ヒロインが絶世の美女というわけでもなければ、主人公との関係は作中においては赤の他人止まりであるし、したがって本作は分類上恋愛モノであるにも拘らず、恋愛欲を満たせるに至らないという根本的欠陥がある。後述に言及する「美少女宇宙人襲来!」などはその点、まだ恋仲に発展しきっていない男女同士のやり取りを描きつつも恋愛モノとして充分に成立していたと自負しています。有り体な着地点にはなりますが、読者にどう感じ取ってもらいたいか考えながら書かないとなと内省するきっかけになった作品です。

〇怪奇!【セックスしないと出られない部屋】

これはタイトルから中身から、宴史上でも屈指の異様さを誇る作品ですね。セックスしないと出られない部屋に、怪奇と付けてしまう。意地でもただのイチャラプを描きたくないのだなと窺えますね。何を恥ずかしがってるんだか。

また、全編が会話文だけで展開していきます。あくまで理屈の論じ合いを主題に置きたいという目論見ですね。取り扱っている内容が内容なので、情景描写を一切省いてでも理屈の方をとにかく汲んでもらいたいとした兼ね合いですね。

なお、一条さんと五十嵐くんは、宴短編では珍しく苗字が割り振られています。オチの際に必要であるからと執筆途中で追記した形になりますが、即席にしては当てはまっているような気がします。一条と聞けばピンと芯が通ったクーデレっぽい女の子を連想しますし、五十嵐と聞けば朗らかながらも理系っぽい男子が想起されます。自分は登場人物の名前設定にかなり時間を費やす方ですが(”冤罪の吸血鬼”はトータルで20時間くらいかかっているような気がします)、フィーリングで決めてしまうのもたまにはありかもしれません。

〇「AI風の絵を描いてください」

AIによって人生を狂わされた人間がAIに看病される作品ですね。書いてから時間が経ったのでどのようなメッセージ性を付帯させたのか自分でも判然としませんが、AIは人々から仕事を奪い去った最終段階、人々に妄想を与えるのではと考えて、この作品を執筆するに至ったような気もします。

労働からの解放も妄想への没入も、ベクトルが違うだけでいずれも現実逃避の一種に過ぎません。現実恐怖症の現代人らの口語ないし文語パターンを学習したAIも自然、その方面に傾倒していくのではと。云々。

〇迷彩アプリがすべてを暴く

自分しては初めて綴ったSF物語になります。作中内にしか存在しないシステムないしその沿革について、説明文チックになり過ぎない範疇で読者に説明するにはどうすればと四苦八苦しました。

これ、非常に俗っぽいことに、僕のしょうもないフラストレーションから生まれた作品になります。

「見られているのに見られていない」です。作品を投稿し、宣伝ポストのインプレッションは増えていくのに、作品自体の閲覧数は一向に上がらない。または、明らかに目を通していないだろうスピードで特定のユーザから作品にハートを付けられる。「ちゃんと見てやらないと人間は何をしでかすか分からないぞ」といったような、メンヘラ根性が鬱積して結晶化したものが迷彩アプリになります。あとは設定を現実世界に適用していくにあたり、生じ得るだろうと想定される事象を列挙し、それをそのまま物語した運びになります。僕の作品がとかく理屈っぽいのは理屈からストーリーを算出しているからです。ただし異世界ファンタジーなどは理屈の力が現実世界ベースの作品に比べて弱まるため、相対的に感性に訴えるような展開が描けていると思います。

---

いかがだったでしょうか。今日はもう遅いのでここいらで切り上げますが、また興が乗ったら残りの作品についても語りたいと思います。良い夜を。


コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する