• 異世界ファンタジー

第(56話位の後)話【閑話】日本サイド・大学であった事

 はじめに
 作中56話位の後の話になります。
 作者は日本側の展開を書くつもりは今の所ありません。素案としてラフに書いた物ですので、面白そうならコメントください。反応が良ければ展開するかもしれません。
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 とある国立大学の研究室にて研究員がコーヒーカップを片手にサーバー上のデータを整理していた。
 教授、また変なデータを入れたのかな……。

「教授、サーバーのデータに変な物があるのですが、教授が見つけて来た物ですか?」
「えっと、私かなぁ」

 私は某国立大学でIT技術と農業について研究をしている。
 害虫や草花のデータベースをAI用に作り替え、害虫雑草除去をドローン技術やロボット技術で置き換えようと研究中だ。

「教授この前、どこかに行きましたっけ?」
「ヤマノの所に行った位だな」
「あーあの無茶を言ってくるヤマノさんですか、工学部の教授もなんか言ってましたよ、ロシア製の変な物持ち込んだらしくて有名になってましたし」

「私も聞いたよ、ロシア軍製の無線装置だったらしいな」
「工学部のやつらは興味津々だったみたいですよ、おそらく現行の軍用局地型無線局だったらしいですし、どうやって手に入れたのかその前に良く税関通ったのかって」

 研究員の話が脱線しそうなので話を戻す事にした。

「ところで、さっきのデータっていつ頃のデータだ?」
「無線騒ぎの後ですね」

「そういやヤマノの奴に草花を自動認識するアプリがないかと言われていたから、試験中のアプリを渡したっけな」
「教授、渡すだけなら問題ないですけどね、情報は色々あるとこちらも助かりますし」

「ちょっとその変なデータってのを見せてくれるか?」

 研究員はサーバーから問題のデータを読み込みPC上に表示させていく。

「なんだこれ? 見たことがない草花だな」
「そうなんですよ、私も長くこの研究をしていますが、葉っぱの特徴とか該当するものがないのです」

 AI識別用に細部まで撮影されている草やどこかの草原の風景が記録されているのだが、草原の草花も見たことがない物だらけとなっていた。

「場所はどこなんだ?」
「GPSデータ……記録されていませんね」
「GPSデータがないなんて東側諸国でGPSの使用が禁止されている国か?」
「スマホのセンサー値ですと、ヨーロッパやロシア辺りなんですが、GPSデータが取得できない地域ではないですね」

 いったいどこで撮影された物なんだ?
 奥さんがロシア人って話だからロシアのどこかなのか?

「この撮影者は特定の草だけを集中的に探しているみたいです」
「撮影枚数が極端に多いな……このデータをこっちのデータとAI検索してみたか?」
「やってみましたが該当なしですね、データベース上には世界中のすべてのデータがある訳ではないので断定できませんが、該当なしの結果も信じられませんよ」

 おいおい嘘だろと思ってしまう、全ての植物データーが入っている訳ではないが、解析用データは世界中の草花の比較的マイナーな種類までデーターとして記録されており、AI検索で類似する物は検索結果として表示されるシステムになっている。

 該当なしの草花を見つけて登録する方が難しいのだ。

「私も見たことがないからな、それに草原に映っている草花はどうなんだ?」
「除外データとして記録されていた画像も新種の可能性があります」
「おいおい、草原の草花が全部新種って事は無いだろう」
「でも教授、こんな変な草を見たことがありますか?」
「……ないな」

「ときどき人も写ってますね」
「多分、ヤマノの息子と娘だ……? あれ?」

 息子と娘は難病指定で入院中のはずだぞ。

「教授どうしました?」
「いや何でもない、新種だらけで驚いていた」
「この草を入手できないですかね、調べてみたいですよ」
「場所はヨーロッパかロシアの方か」
「撮影したヤマノさん本人に会えないですかね」
「ヤマノかぁ、奥さんがロシア人だからな海外旅行にでも行った時に撮影した物なのかな」
「それじゃ家族旅行とかで撮影された物かもしれませんね」

「今度会う事があったら聞いてみる」
「早めにお願いしますよ教授! 新種だったら大発見ですよ!」

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 あとがき
 おおっぴらになったら大事件です。
 教授がヤマノ家に突撃して、息子と娘の所在不明がバレれれば警察が介入すると思いますが、もしかしたら政府レベルでは同様の事件を把握しているとかの設定にするのもアリです。

 でも複雑になるので、どうかなぁ……と言った感です。

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