この小説は『人類の生存に適さない星』と同様に「星アンソロ」参加作品です。
『人類の〜』がわりと皮肉の効いたショートショートって感じだったので、今度はメロドラマ風の現代ものにしよう! と思い立ち、この小説を書き始めました。
最初に考えたストーリー案は「愛を知らない落ち目のアイドルが恋を知り、ラブソングを歌えるようになる」って感じのものでした。
でも書いている中で、こんなありきたりでどこにでもある話でいいのだろうか? そう私は思い始めました。
これは本当に私が書きたいものなの?私が読者に伝えたいことって何? 何よりこんな甘ったるい結末、白百合エリナに似合うだろうか?
この結末がしっくりこない、そう思った私は、キャラについてもっと深く掘り下げようと思いました。
主人公である白百合エリナは、なぜこんなに若い女子アナやアイドルに厳しくいじわるなのか? 高飛車に見えるのに、なぜこんなにすぐ落ち込むのか? そしてなぜこんなにフリフリの衣装や可愛い曲にこだわっているの? そこを掘り下げているうちに、なんとなく自分が書きたかった本当のテーマが見えてきました。
竹野内のキャラも初めよりもっと掘り下げるようにしました。初めはもっとデキる男風の王子様系キャラだったのですが、思い切ってがらりとキャラを変えてみました。しかし、今の方が人間味があっていいと思います。ランキングにこだわったり、他人の評価に一喜一憂したり、自分の才能が信じられなくなったり、そんな過去があったからこそ、竹野内は本当のエリナを見つけられたのでしょう。
白百合エリナも竹野内も、いわば私の分身みたいなものです。私自身も他人の評価を気にしたり、自信を無くして落ち込んだり、よくします。創作活動をしている人には、よくあるのではないでしょうか?
そんな時、この小説を読んで自信を取り戻してほしい、私はそう思います。
最後に、全然関係ないですが、「竹野内P」と言う名前は、「アイドルマスター・シンデレラガールズ」に出てくる。「武内P」からとりました。武内俊輔くん、いいですよね……応援している声優さんです。
って、本当に全然関係のない話でしたw