某投稿小説サイトのトレンドのひとつ、『追放系』について考えてみた。
追放系とは
①何らかの理由でパーティから追放される(この理由が『主人公が使えない』のと、『そもそも仲間にするつもりじゃない(真の仲間じゃないとか)』に大別される)
②惨めな思いをしながら力をつける、または本当は凄い力があるのを隠してたけど、追放されて本気を出す、または要らないと言われてたスキルは実はすごかった――のいずれか三パターン(笑)でのしあがる。
③追放したパーティを見返して『ざまぁ』する。
の流れで終わるテンプレートである。
①②③の何れかに力を入れるかで微妙に違ってくるが、基本的には同じ。
ネット界隈では『また追放系ww』と揶揄されネタにされる。所謂『婚約破棄もの』の男性版
ただ、ネタの使い方によっては名作になるジャンルであり、貴種流浪譚(高貴な生まれの若者が何らかの理由で地位を失い、苦労し成長して偉業を成し遂げたりかつての地位を取り戻したりする。ヤマタノオロチを退治するスサノオノミコトや三國志演義の劉備玄徳など)に通じるものがあったりする。
この『追放系』。最近パッと出てきたジャンルと思われがち(私の偏見)だが、皆がよく知るあの童話も『追放系』のテンプレートを(ほぼ)なぞっている。
『白雪姫』
※ただしディズニーのアニメでなくグリム童話
七歳の時、彼女が余りに美しいので嫉妬した実の母親に森に捨てられる(追放)。
七つの山を単身で踏破(!)し、七人の小人に出会う。
小人のもとで家事手伝いをしながらスローライフを送る。
生存が発覚(魔法の鏡がチクる)し、母親が始末に来る。
一回目、腰縄を売りに来た商人に化けた母親に絞殺されるも小人の救急救命により蘇生
二回目、櫛を売りに来た商人に化けた(以下略)に呪いの櫛を刺され呪殺されるも、またも小人に以下略。
三回目、毒リンゴを売りに来た以下略。流石に小人も匙を投げる。死体はワインと水で清められたあとガラスの棺に安置され、永久保存。
しばらくのち、唐突に王子が現れ、姫の死体を大変気に入る(王子は死体愛好家という説)。すったもんだの末、王子は棺ごと姫を引き取る。
このあとは2パターン
棺を運ぶ従者が誤ってつまづき、その衝撃で姫がリンゴを吐き出して蘇生するパターンと、城に棺を運んだあと、四六時中姫の死体を王子が眺めているため、重い棺を運ばされる侍女が怒り、姫の死体を蹴飛ばしたところ、衝撃で以下略。
結局王子は姫が蘇生したのでプロポーズ。結婚式の披露宴に姫の実母を呼びつけ、真っ赤に焼けた鉄の靴を履かせて死ぬまで踊らせ『ざまぁ』する。
え? 王子さまのキスで? そんなわけないじゃん
――意外にラノベにしたら面白いかもしれない。
『私より美しいからと実の母親に追放されだけど、森のなかで小人達とスローライフする~不死身の美姫と変態王子~』
ようは、どんなテンプレートも料理次第ということ。