※皆様、Vオタの応援ありがとうございます。お礼も含めて、クリスマス特別編をお届けします。今後も『Vオタ』をよろしくお願いします!
サンタさん! 応援とレビューとVtuberさんが本作を読んでくれているという奇跡を下さい!
『特別編・去年のクリパってぇ、思い出したくないんだってぇ』
『てめーら、たかまつてる? 高松うてめです。みんな、メリークリスマス』
〈めりくり〉
〈メリークリスマスです! うてめ様!〉
〈メリークリスマス〉
Vtuber高松うてめは、いつもの緑基調の装いではなく真っ赤なサンタコス衣装で配信に望んでいた。
『今日はクリスマスイブなのに配信に来てくれてありがとう。雑談メインの配信になっちゃうけど、よかったら付き合ってね』
〈喜んで!〉
〈予定ないので!〉
〈配信ありがとうございます!〉
『ちなみに、今日はね、弟がクリスマス料理を用意してくれたのよ、うふ』
〈出たー! ウテウト!〉
〈弟さん、有能〉
〈なに作ってくれたんですか?〉
〈え?〉
『ふふ、それはやっぱり、綺麗で栄養満点のリースサラダでしょ。それと、チキン。あと、私が大好きなパイ包みのクリームシチュー』
〈うまそー!〉
〈食べたい!〉
〈ウテウト飯最高!〉
〈作ってくれたんですか?〉
『今日はね、弟もサンタコスしてくれてね……物凄くかっこいいわ』
〈美人姉弟か〉
〈ええな……うてめ様とおそろっち〉
〈うてめ様のサンタはウテウトなんやな〉
〈サンタコスしてるんですか?〉
『そうよ、私のサンタは弟なの。ふふふ、弟ったら嬉しそうに笑っているわ』
〈よかったね〉
〈てぇてぇ〉
〈しあわせやなー!〉
〈笑ってるんですか?〉
『じゃあ、みんな乾杯しましょ。かんぱーい♪』
〈うてめ様、いつもよりテンション高いな〉
〈かんぱーい〉
〈最高のクリスマスやで!〉
〈酔ってるますか?〉
『じゃあ、弟の作ってくれたご飯食べちゃおう。ねえ、あーんして』
〈おいおいおいおいおいおいおい〉
〈あーんだと!〉
〈最高かよ!〉
〈あーんしてくれるんですか?〉
『あーん、もぐもぐ』
〈ん?〉
〈ん?〉
〈あれ?〉
〈えーと〉
『あー、おいしい!』
〈おいおいおいおいおいおいおい〉
〈おいおいおいおいおいおいおい〉
〈おいおいおいおいおいおいおい〉
〈おいおいおいおいおいおいおい〉
俺は、高松うてめの魂、天堂真莉愛の実の弟である天堂累児はクリスマスの冬にはあり得ない程の汗を流していた。
何故なら、俺は、姉にクリスマス料理を作っていないからだ。
っていうか、姉の家にもいない。
っていうか、今日はれもねーどの配信に付き合わされてフロの配信ルームにさっきまでいた。
姉さんにはクリスマス会のお誘いを受けたが、仕事だからと断った。
そして、その仕事が終わり、れもねーどの打ち上げに誘われたが、流石に姉の誘いを断った手前行かず、姉の配信を見ていた。
そして、戦慄する。
姉 が 妄 想 の 俺 と ク リ ス マ ス パ ー テ ィ ー を し て い る。
途中までは、ファンは気づいていなかった。
俺以外気付いていなかった。
だけど、食べてる所から違和感が生まれ始める。
全く弟が物音を発していない上に、姉はもぐもぐ言ってるだけで咀嚼音も何も聞こえない。
想像でしかないが、ほぼ確信だ。
姉は、俺がクリスマスパーティーに行かなくて、壊れた。
ヤバい、ヤバすぎる。
なんだこの配信。
だが、歴戦のてめーらは何度も妄想地獄を見てきた者達だ。
面構えが違う。見えないけど。
〈妄想キター!〉
〈強めの幻覚www〉
〈これこそうてめ様やでー!〉
そうして、この日の配信は伝説のクリスマス配信となり、うてめ様の弟妄想説がたかまつた。
そのあと、俺は、謝罪の言葉と共に、姉に翌日クリスマスお食事会に誘った。
姉は大層上機嫌だった。
そんなクリスマスの思い出。