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割り箸Ⅱ

 先ほど、久しぶりに割り箸を折った。
 袋から取り出すなり、なんか変だなあ、妙に節くれだってるなとの印象を私に与えた割りばしは、キャベツをつかもうとした瞬間にへし折れ、かけらは飛んで行ってしまった。
 以前にも書いたのだけど、私は割りばしが折れるのが嫌いである。
 瞬間、腸が煮えくり返り、奥歯を砕けんばかりに噛み締め……そうして思い出すのだけど、こういう時には何かを叫ぶのではなかったか。
 気になってカクヨムを開き、自分の近況ノートを開くと、昨年の4月13日に記した文章に書いてあった。
 ドラゴラムだ。
 Wiz風小説を書いていながら、アレな話なんだけど『迷宮クソたわけ』を書き始めた当初はレトロフリークでスーファミ版ドラクエ3にはまっていたのである。
 ただし、アレフガルドの温泉街でスゴロクに挑戦したままゲームはそこで止まっており相変わらず世界は闇に包まれている。
 レトロフリークにはクイックセーブ、クイックロードという機能があるのだけど、それを使って都合のいい出目が出るまでやり直し、とある宝箱のニマス前まで来た。そこで二が出るまで、当然のように何度もサイコロを振ったのだけど、どうしても二が出ない。
 百回ほど振っても二はでず、ついに千回ふってもニは出なかった。
 効率よく生きる人間ならばここは適当にやり過ごし、もう一度トライすればいいと割り切れるのだろうが、こちとら不正の許せない大正義人間である。
 是が非でも二を出してくれると、その後も定期的にさいころを振り続けて、ついには五千回も振ったあたりで「イカサマが!」と叫んでコントローラーをたたきつけたのだった。
 もちろん、自分の心には巨大で立派な棚を設けてあり、我が身の行いについてはそこに恭しくしまい込んでいるのは言うまでもない。
 なんてことを考えている間に怒りは収まっており、弁当についてはこんな日のためにと備えておいた塗り箸をとりだして普通に完食した。

 そんな与太話を枕にしないと照れてしまってうまく言えないんですが、先日発売されました『迷宮クソたわけ』の書籍版について、購入してくれた方、ありがとうございます。
 購入報告をいただくたび、うれしくてたまらなくなります。
 気持ちとしては購入された方、一人一人の前で伏して拝みながらありもしない創作秘話などを並べ立てたい気持ちです。
 まだ描き続けていきますので、これからも応援をよろしくお願いいたします。

 あと、続刊を出したいので、まだ手に取っておられません方は応援をするつもりでぜひ、書籍版「迷宮クソたわけ」のご購読のほどよろしくお願いします。
 

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