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大したことのない話について


 いえ、本当に大した事のない話なんですよ。
 椅子に座って紅白を見ていて椅子に体重をかけたら、何故だかオナラみたいな音がしたという、ただ、それだけの話で。でも私はしてないんですよ? ないんですよ。でもそんな音がしたんです。

 母が疑わしげな眼を私に向けました。

 いや、なんでそんな眼を私に向けるのですか? してないですよ。してたらいつも宣言してるじゃないですか。宣言してないんですからしてないんですよ。ほら、匂いだってしないでしょ?

「疑ってはない。でも、音はした」

 しましたね。たまたま椅子が軋んだ音が、似た音がしたんでしょうね。でも匂いはしてませんし、私いつも、したらしたで宣言してますよね、毎回。やだなー、久しぶりで忘れてしまいましたか?

「そうだな」

でしょ? そうでしょ? 改めて言いたい。私はしていない。どこに弁明しているのか不明ですか強く言いたい。私は主張したい。

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