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哲学と宗教全史

 朝の七時。今日は日曜日です。会社の事務所にいますが、仕事は終わりました。コーヒーを飲みながら、パソコンに向かっています。天気予報は昼から雨でしたが、もうパラパラと降り始めました。市場内が、とても静かです。僕、一人だけ。思索するのには、丁度良い環境です。

 前回、源氏物語に関心がある話をさせて頂きました。ヤフオクで、瀬戸内寂聴訳の源氏物語を全巻セリ落としました。まだ読んでいませんが、楽しみです。その間、他の本を読んでいました。図書館からも、気になる本を5冊ほど借りました。縄文時代の人々の暮らしについて書いてある本は、半日で読みました。その次に、前々から気になっていた本を読み始めました。この本は、高いのでヤフオクでセリ落とすつもりだったのですが、ヤフオクでも高い。結局、アマゾンでポチってしまいました。

 『哲学と宗教全史』 (著)出口治明 ダイヤモンド社

 かなり太い本です。かなり太い本ですが、人類の3000年ほどの歴史をまとめたという意味では、素晴らしい偉業です。しかも読みやすい。スルスルと読めてしまいます。長延な時代の流れを俯瞰するような気分でした。バラバラだったピースが、頭の中で合わさっていくようで気持ちが良い。読み始めて三日ほどですが、もう直ぐ読み終わります。自由・平等・友愛を謳ったフランス革命やナポレオンの時代まで読み進めました。

――この世界は、どのような仕組みなのだろうか?
――人間は、どこからやって来て、どこへ向かおうとしているのか?

 そうした人間の本源的な問いかけに対して、哲学や宗教は長い歴史の中で応えようとしてきました。それなのに、人間は失敗を繰り返し、不幸を積み重ねてきました。今なお、戦争はなくなっていません。

――哲学や宗教に意味はあるのか?

 そんな問い掛けを、つい心の中で思ってしまいます。しかし、僕は考え違いをしていました。

――哲学や宗教が、人間を救うのではない。人間を救いたいがために、足掻いて来た足跡が哲学や宗教なのだ。

 哲学や宗教の興隆の陰には、絶望的な不幸が覆いかぶさっていました。戦争を始めとして、飢餓や病気、災害といった避けて通れない不幸です。哲学や宗教は、不幸のどん底に突き落とされた人間が、光を求めて立ち上がろうとした軌跡だと思いました。ただ悲しいのは、そうした哲学や宗教が原因となって、不幸が生まれる現実もあるということです。

――じゃ、どうしたら?

 そんなことを、つらつらと考えています。非常に、刺激を受けた本でした。そんな話を、長男に語ったりしています。長男も面白そうに聞いてくれました。

 さてと、次は源氏物語を読もうかな。

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