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源氏物語

 昨日、ゲームが終わりました。任天堂のゼルダの伝説「ブレストオブザワイルド」のことです。ヤフオクで落札してから、ほぼ一カ月半。最終的な総プレイ時間は確認していませんが、150時間近くは遊んだと思います。平均すると、毎日3時間半は遊んでいる計算になります。馬鹿です。全くの馬鹿です。他にもやることがあったはずなのに、全てを放り出してやり込んでいました。面白かったゲームは、途中から作業に変わりました。ちょっと辛かったです。さっさとボスに立ち向かってエンディングを目指せばよいのに、それでも、広いハイラルの世界を丁寧に歩き回りました。隠された要素を暴き出し、実績を一つ一つ積み上げていきました。しかし、終わってみると、実績の開放率は33パーセントしかありません。

――マジか!

 作り込みの膨大さに驚きましたが、それでも終わりました。良く出来たゲームです。物語もなかなか楽しむことが出来ました。ただ、あまりにも長すぎたので、プレイを始めた時の感動は後半では薄れていました。ゲームですから、エンディングは分かっています。僕がボスを倒して終わりです。ゲームをしながら他の事を考えていました。小説のことです。

 紡ぎたい物語は、幾つかあります。手始めに、僕の体験談をベースにして自転車旅行の話を書いてみるつもりです。連載が滞っている「貴女を守りたい」も、独立した物語として完結編を描きたいと思っています。僕は、二十年ほど前に、カフェを営んでいたことがあります。その経験を生かして、カフェの栄枯盛衰物語も書いてみたい。最後に、前々から述べていることなのですが、聖徳太子の物語も紡ぎたい。

 聖徳太子の話を描くために、僕には基本的な情報がまだまだ足りません。膨大なインプットが必要です。当時の人々の生き様や、思想的な背景を知る必要がありますが、資料は限られています。日本最古の文献は古事記と日本書紀ですが、聖徳太子はそれが表された時よりも古い。研究は進んでいるようですが、全てに目を通すことは出来ません。また、僕は聖徳太子を描くにあたって、仏教を浮かび上がらせたいと思っています。ある意味、仏教を否定するような勢いで表現をしたい。この仏教についても、勉強する必要があります。聖徳太子は、仏教に関する抄本をいくつか残しています。それらも読む必要があります。

 仏教は、物語のテーマに関係する事柄です。しかし、それだけでは物語は出来ません。聖徳太子は皇室の人です。皇子です。当時の、皇室の人間模様も知る必要があります。ゲームをしながら、つらつらと考えていると、「源氏物語」が思い浮かびました。世界最古長編小説で、作者は紫式部。有名です。常識です。でも、僕は読んだことがない……。

 読むしかないな。そんな風に思っています。

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