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ナザリベスのプロット


ナザリベスのラノベは、始めは企画書だけの作品でした。
そして、他の2作品よりも先に誕生した物語です。

登場人物も、幽霊のナザリベスとトケルンとチウネルしか登場しない予定でした。
本名を考えることをはぶいて、ニックネームだけにしようと思っていました。

何でも解けるから『トケルン』です。
『チウネル』は、杉原千畝から考えました。

 ナザリベスは、エリザベスとイスラエルのナザレを合わせた造語です。
 ナザレとはイエス様の育った土地です。
 イエス様は最後は十字架に磔にされて、頭上には『ナザレのイエス』と書かれた板が打たれています。

 要するに、ユダヤ教をベースにした物語です。
 本編でよく登場するゴーレムの人形も、旧約聖書に登場していたと思います。

 ナザリベスは小さな女の子で幽霊という設定で、難解な謎々を出題することで楽しんでいます。
その謎々を解くのがトケルンです。
どんな難解な謎々でも、彼が必ず解くことができるという設定です。
チウネルはおっちょこちょいな女子大生で、最初は彼女から見た一人称小説で書いていこうと考えました。

企画書では「謎を解けば解くほど……謎が深まってしまう」というプロットでした。
これは名探偵コナンの逆バージョンです。
小学館とは……反りが合わないんですよ。
でも、葬送のフリーレンは面白いですよ!
(主人公の設定が、聖剣士さまと似ていますねぇ……)

私はアニメーションやデザインの勉強をしていましたが、もともとは企画を考えたり提供したりする専門家でした。
キャラクター設定やプロットなどで、物語自体を作りはじめたのは数年前からです。

私はずっと独身で当然子どもはいません。
だから、自分に女の子どもがいたとしたら、どういうコミュニケーションをするのか興味があったのでした。
ナザリベスは自分の子どものような感覚でキャラクターデザインしました。
正体が幽霊ということで、難解な謎々を出題できる理由がこれです。

この幽霊ですが、実は私が小学生の中学年の頃に実際に出会ったそれをモデルにしました。
幽霊だから、つまり成仏できていないのです。
トケルンが謎々を次から次へと解答することで、ナザリベスは成仏できる……というプロットです。
レベルを上げればラスボスを倒せるような感覚だと思ってください。

ユダヤ教をベースにしたと書きましたが、私は一神教の価値観が嫌いです。
その中でも、ユダヤ人の自分たち以外は家畜と考えている思想がもっとも嫌いなのです。

新子トモカはカトリック教をベースにした物語ですが、これはジャンヌ・ダルクを物語の軸にしたかったからであり、ジャンヌ・ダルクも結局最後は処刑されました。
一神教は、自分本位な宗教だと思います。

宇宙の中心に唯一神はいると思っている私ですが、それ以外にも多くの神はいるのです。

話を戻します。
物語の中に「生と死は同一、死は生の裏返し」という言葉があります。
これは、当然ナザリベスのキャラクター設定――幽霊に当てはまる意味なのですが、実はもっと深い!
あまり詳しく書きませんが、私が大手術をした経験は幼稚園の頃と、だいぶ歳をとってからの2回です。

私は幼稚園の頃に1回死んでいるのだと思っています。
つまり私は2回死んでいて、今の私から見たこの世界は3回目の世界なのです。
ナザリベスは幼い頃の自分をも重ねていると気が付いたのは数年前のことでした。
また、リメイク版を書いてから幽霊のナザリベスと今の自分は同じ感覚――幽霊みたいなものだと気が付きました。

幼稚園の近くには今でも火葬場があって、山の上には墓場があります。
あの風景が嫌だった……。
ナザリベスが幽霊なのは、こういう記憶があったから誕生したのだと気が付きました。

ナザリベスの追記小説を書きました。
これでようやく、田舎の思い出とお別れできます。


ナザリベスのラノベとは、私の死生観から誕生したトラウマ物語です。

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