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2021年8月9日 19:17
「『星詠みと流星』への感想」
自主企画用になります。
①冒頭1万字以内に出てくるなかで一番好きな登場人物と台詞:流星、「君はその足でどこへでも行ける」
②1万字程度としてキリの良い話数:命降る夜【7】
③具体的な想定読者:小学校高学年〜中学生(児童文学系のファンタジーを目指してます)
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2件のコメント
小鹿
2021年8月18日 22:19
こんばんは
遅くなりましたが、企画へのご参加ありがとうございます
【総評】
物語の構成が緻密に練られており、クセのない文体も相まって読みやすい。一方で、心理描写や風景描写が共に不足気味であり、ストーリーに没頭するまでには至らない。
物語構成の上手さが技巧的に浮いており、悪い意味で目立つ。
*
良い作品でした。もうこれは、疑いようもない素直な評価です。
書き手が俯瞰的に物語を見ているとわかるような、冷静な筆致にて進むストーリーには、大変安定感があります。読んでいて、文意の理解に苦しむ場面や、設定の甘さを感じることはほとんどありませんでした。
総評に関しては、敢えて言うなれば、です。
本作は、緻密に書かれたプロットに近い印象です。状況設定、舞台上の画、人物の行動。それぞれがしっかりと書かれているために、ストーリーの筋道を追う分には困りません。
しかし、登場人物の心理面に対する描写、その人物が何故そのような感情を抱くかという根拠が乏しく思われます。
例えば、主人公の兄に対する思いも、十分に提示されてはいるのですが、それは、記号的にと言いますか、「ただ二人の兄妹ならば、お兄ちゃんのこと大事に思うよね」という読み手側の感情構造における「一般的な理解」を頼んでのものだと感じました。
身内の死は悲劇、努力の末の勝利はカタルシス、というような。
「一般的な理解」を引き出す状況設定が作れている点においては、まずそれだけでもすごいことです! その上、さらに望むとしたら、の話ですので……!
本作の想定読者は、小中学生とのこと。人生経験に乏しく、心理発達も未熟で繊細な子どもたちを相手とするのなら、なおさらに、具体的な交流やエピソードをもって、人物の心理描写が求められることでしょう。読み手側の共感や支持を得られるキャラクターが望ましいと思いました。
冒頭なので、舞台設定の提示と、物語を出発させる状況作りに追われ、文章を整理するあまり、冗長になりがちな描写から削られてしまったのではないかと推察します。
例えば、第6話。書き連ねられる文字情報のほとんどが、画を描かせるための情報です。それでいて、この情報は物語において、おそらく再利用はされないことでしょう。
しかし、この時の主人公の心境は、物語の根幹を支えることになるはずです。
主人公が何故、危険を冒してまで兄の元に走るのか。
何故、村の人々のように、抑圧された世界に準じないのか。
私自身の認識としては、その回答が今のところ、彼女は主人公だから、という、メタ的な答えになってしまっているんです。
キャラクターを支える性格、行動力、魅力、関係性、それらの根源が十分に描写されていないことによります。
メグさんは、物語に対して、とても冷静な目と筆とをお持ちですから、登場人物の心情面に対しても、さらなる緻密さを描いていってほしいと思いました。
具体案を出せなくて申し訳ありません……。いや、私もですね、ここは苦労しているところなんですよ。物語進行に追われるあまり、キャラクターの心情を、記号的な状況説明にて示したきりにしてしまうこと。
【文章の書き方について、いくつか】
「黒は麻布のマントを身に纏った棺の担ぎ手で、白い前開きの羽織に袖を通し、濃紺の帯を締めてそれを先導するのは死者の縁者と村長だ」
この前後の文は、説明が引き返しています。
白黒→黒は○○、白は**→○○は##
そのため、色ごとに説明をまとめた方が、理解に手間取りません。
白黒→白は**→黒は○○で、##
全体を通して、段落や一文を越えての記述が散見されます。少しの注意でなくせる点ですので、説明の順番は意識してみてください。
「その声にセラは覚えがあった。兄を迎えにきたあの男だ」
直後の段落に、再び「兄を迎えにきた男」との文言が出てきています。描写に置き換えるなど、表現の重複を避ける方が好ましいです。
*
ふんわりとしたことしか言っておらず、申し訳ないのですが、以上です。
冒険ファンタジー、良いですよね。デルトラ・クエストを熱心に読んでいた小学5年生のころを思い出しました。
ありがとうございました!
メグ
2021年8月19日 14:15
小鹿様
こちらこそお忙しいなか、ありがとうございました!
参考にさせていただきます。
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