似たような内容を書いては没にして、また書いています。
「ツカサちゃん」のパートも、かつてはこんなふうにメモされていました。もっとあとで出てくる予定だったのです。
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ノルの質問その2
「デンテファーグちゃんへの質問をあとひとつ。あなた自身についての記憶がどこまであるのか、教えてほしいの。名前まで忘れちゃった、なんてことないでしょう? ツカサちゃん?」
これにはドンタン・ファミリーの全員が色めき立ちました。
「ノルさん! 今バノのことをツカサちゃんって呼んだよな! 知り合いだったの?」
「ばかばか、トキトっち、質問しちゃだめっしょ! 質問ひとつの重み、すげーんだから!」
とパルミ。
ノル「あはは。今はデンテファーグちゃんが質問者に設定されてるし、その程度は質問の約束にいれないわよ、安心して、パルミちゃん。知り合いではないの。けれど、私の聞いた範囲で推測できるネームドは、たぶんツカサちゃんのはず」
デンテファーグ「とても興味深いヒントをもらってしまったね。けれど、あいにく、自分のことをいちばん覚えていないんだ。名前も……ツカサか……心がざわざわする。自分の名前を呼ばれたからと言われたら、そうかもしれない。それくらいには、感じるところがあるようだ。でもほんとうに、それくらいしか、わからないんだよ。悪いね、空振りさせてしまって」
ノル「空振り? とんでもない! だいぶ、わかったのよー。だから恐縮しないでいいからねー」
トキト「なんでだ!? 覚えてなかったのに空振りじゃねーのか」
ノルは《《覚えていないことを期待して質問した》》のです。だから、今のは最高の答えでした。もし自分がツカサだと自覚があるようだったら、ノルの運命にも少なくない影響を与える存在が目の前にいることになるからです。
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長いわりに読者におもしろいアクションもないので、やめてしまいました。
【画像】はル・ノワ。前に公開したのと同時に描いてもらった別バージョンです。
