今回は三冊です。
『天才までの距離』門倉慶喜
短編連作の二冊目なのですね。知らずにこれから読んだけど問題なかったです。
美術品の真贋にまつわる美術ミステリーですかな。題材はすごく良い。とても良い。岡倉天心と救世観音、岩波文庫と百穂、クォーツとキュリー夫人、レンブラントと鷗外など。好事家でなくても「ああ」と膝を打てる有名どころを選んでます。
じゃあ、作品として面白いかっていうと……ふつう。うう、好きな方には申し訳ない。可もなく不可もなく普通でした。キャラも物語的にも無難という感じ。普通でした。
『チェブラーシュカ』エドゥアルト・ウスペンスキー著 児島宏子訳
親子読書で子どもと読みました。チェブかわゆす~。
お客に招いた相手にコーヒーの道具を持ってこさせ野外でコーヒーを淹れさせる。それってコーヒーをごちそうしたって言わないよ。けどワニのゲーナは紳士。
「えんりょしなくていいから、ぼくのうちにおいでよ。そのほうがつごうがいいんだよ」
うう。私が紳士にこんな遠回しな注意のされ方したら生きていけない。(何か違う)
低学年向けのお話は語り口がやさしくて癒されます。
『富士塚ゆる散歩』有坂容子
美術家であり富士塚マニアの著者さんが独特な感性で関東各地の富士塚や富士講について紹介してます。
この独特な感性はアートに関わる方ならではなのだろうな。繰り返し述べられているのは「信仰と宗教は違う」ということ。うん。言いたいことは分かる。現代人の生活に信仰から根付いたものはたくさんある。
日本人というのは、なんでもかんでもありがたがってすぐに拝むくせに宗教は嫌い。海外の人から見たらさぞ不思議だろうなと思う。
ちゃらんぽらんで新しもの好きだら曖昧なまま取り入れることがとってもうまい。本質を理解しないまま真似をするのが上手。それが長所となることもあるけれど。
なんだか分からないけどすごいものだから真似しとけってミニュチュア版が身近にたくさんあるわけです。それを著者さんは「ニンゲンは欲深いほどに、賢い」と表されてます。うーむ、なるほど。
みなさん、富士山はお好きか(唐突)
好きか嫌いか以前に、私は富士山の位置で方角を確認するあの県民なので富士山が見えない場所では暮らせません(極端)
旅行先でも地図を見るのに「北はどっちだ? 富士山がないからわからない!」となります。日曜日にも名古屋で道に迷いました。
従弟の結婚式で我が家の子どもたちがリングボーイ・ガールにご指名されたので家族で名古屋まで行ってきました。
うちから名古屋はまあ、遠い。お酒を飲みたかったので新幹線で往復。子どもたちにとっても初めての遠出でありました。
名古屋には大学時代友人が下宿してたり、弟が大須に住んでた時期もあったから馴染みのある場所ではあるけど、とっても久々だったから記憶にないビルができてましたねえ。
ショックだったのは名鉄百貨店前のナナちゃんがおしゃれじゃなかったこと。ニ〇リだのL〇FTだのの広告巻き付けてダサかったー。ショックー。
で、駅近を歩いてて思ったのは、東京と比べて大きいですよね。ビルのひとつひとつ、一区画、道路なんかがダイナミック。田舎者から見れば都会は都会なのだけど、地方大都市っていうのは大きいなあと(語彙力) 名古屋で運転免許を取った友人が地元は道路が狭くて怖いって言ってたな、そういえば。
ホテルのチャペルでのお式では、うちの息子はちゃんとやってくれるかと心配だったけど、しっかり新郎新婦の元に指輪を届けてくれました。よかったよかった。
驚きだったのはカナダから来た神父さんと子どもたちが流暢に英語で自己紹介しあってたこと! 「どこから来たの?」なんて息子から会話してて驚きました。英会話のまったくできない母はただただ驚き。やはり息子は凡人には理解出来ない天才なのだな、うん(スーパー親バカ)
そんなこんなで帰りの新幹線の中ではぐったりの私の横で子どもたちは最後まで元気。よかったよかった。
都会から地元に帰って来るといつも夢から醒めた心地になります。わー、何もない。だけど富士山はある。
楽しい小旅行でした。