• エッセイ・ノンフィクション

命とは・・・やはりヒントはネコに有りそうだ!

近すぎて見えなかったものも、遠ざかる時はじめてその形がよくわかる。

「ネコ」について自分以上に突き詰め、高いレベルの結論に近づいている
人物に 猫話を多数書いている村上春樹が、昨今、新書出版で話題だ。
「猫についてマジメに考えている」からこそ猫との巡り合わせという運命を
「あたり猫とスカ猫」という概念で整理できた人物だ。

「あたり猫」とは飼い甲斐のある猫。「スカ猫」とは手間がかかって仕方のない駄猫のことで、
スカ猫にあたる確率のほうが高いようだ。

先般亡くなった俳優の緒形拳だ。緒形は先般亡くなった俳優の緒形拳は
「猫のように死にたい」と洩らしたらしい。
猫は「死期をさとって身を隠す」ことはない。人がそう思っているだけだと。
猫の死は悲惨である。事故にしても病気にしても老衰にしても、
死ぬ時というのはものすごく悲惨だ〉
「猫のように死にたい」とは、猫の死と、そこに付帯する苦痛と悲惨さをみくびり、
「禅味とかワビサビとか自然体とかそんなものに甘っちょろく憧れていた」からこそ出てくる台詞なのだという。
つまりは「猫の死に向き合わない人間は、自分の死にも向き合えない人間である」。
人が「猫のように死ぬ」とは、
「最後まで苦しみながら、死ぬなんてことを考えもしないで死んでいく」という末期を意味する。そして、あたり猫であれスカ猫であれ、猫は死に際に禅味などの味付けをすることなしに生をまっとうする。

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