もうだいぶ経ったのでうちの祖母(故人)の話を。
祖母は豪農の長女の産まれ。
○○小町と呼ばれるほど美人で縁談の話がひっきりなし、将校さんと結納をしていたけれど、そこに祖父がモーニングを着て車で結婚を申し込みにきた。
戦争が始まるからと、婚約を破棄して祖父と結婚。相手からは「一生恨みます」と言われたとか。
そんな祖母ですが、結婚してみれば祖父は初夜に芸者さんを揚げに行き、嫁ぎ先には祖父が16歳の時に作った子供がいて。
それを実家には全く言わなかった祖母です。
(嫡子である母が知ったのは、そちらが亡くなり母が50代の時に連絡が来た)
祖父は彼が50代、私が生まれる前になくなったのですが、躁鬱(今でいう統合失調症)で、いい時には事業を起こし、武道館で阿波踊り大会をもよおしたり、全国を回ったり、仕事で旅館に泊まれば宿泊者全員の宿泊代を払ったりと気前がいい。(母は運転手としてついて行った)
鬱になれば、家に火をつけようとするので、母はひっぱたいてやったとか。
その後も祖母は大変な人生を送ったようですが、80代の時は姉が美容パックをあげれば「ありがとう、最近化粧のノリが悪くって」と言い、百貨店の化粧品コーナーに行けば美容部員さんに年齢を聞かれ驚かれて「大事なのは保湿よ」と言い「私、頑張ります!」と言われ。85歳でも整骨院でナンパされて。
明るく96歳まで認知症もなく生き、当日も体操教室に行き、友人たちと昼にうどんを食べ、アイスも食べ、夕食のお弁当を食べる前にトイレに行きそこで倒れ救急車の中で亡くなりました。救急隊員の方に「自分で自分の排泄の後始末までされてすごいですね」といわれたようで。
周りの方にぴんしゃんころりで羨ましいと言われた人生でした。
ちなみに、母も美人で私の授業参観では隣の席の男子に「お前の母ちゃん美人だな。なんでお前はブスなんだ」と言われましたが。
四分の一になると血は薄まりますね。
それを受け継がれなかったのは残念です。
ちなみに、私は母は美人で褒められる。姉は頭がよくて、学校でも同級生から「高瀬さんのお姉さん、〇〇高校でしょ?」と言われていました。姉からも頭が馬鹿なことを嫌みを言われてましたが…。
私は小説によくある姉妹をうらやむとか、ひがむとかはなかったんですよね。
自分は自分で、美人じゃないことも頭が良くないことも気にしていたけれど、姉や母が褒められることは嬉しかったので。
小説のあのパターンは、何だろな、といつも不思議です。