念のため、このあとがきでは本作の核心に触れているので、未読の際は先にこちらをお読みいただければ幸いです。
https://kakuyomu.jp/works/16818792437967917085 それでは以下よりあとがきのはじまりはじまり。
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『青嵐が駆け抜ける』はもともと、ある企画に提出するために考えたものだ。夏をテーマにした10000字以内の短編を募集する。結局その倍以上の分量になったため早い段階でその企画への参加は断念した。
でも夏の青春を描けたことに満足している。「夏といえば青春でしょ」という安直な理由で方向性が決まり、そこから甘酸っぱい恋の話と、夏を代表する楽曲「secret base」に連想される別れがやっぱいいよなぁと思い至り、だいたいの大枠は決まった。
あとはミステリも絡ませたい欲が湧き出て、面白い謎はないものかと思案することになる。主人公の帰りにいつも待ち伏せしている女の子。それじゃあストレートすぎるなと少しひねり、どの駅でも降車する女の子が生まれた。しかしこれだけじゃ真相がばれそうだと不安になった僕は、ダメ押しで「個人情報を集める」という要素を追加した。
この作品は僕の好きな要素の詰め合わせである。夏、ミステリ、陽気な高校生の男ども、秘めたる恋、突然の別れ。好きが高じて形になるのが異様に早かった。ここまで難なく執筆できることはないぞと我ながら驚いている。
そしてペタを出せば安楽椅子探偵として活躍しそうなので、また日常の謎系で困ったら彼を呼び出そうと画策する僕であった。
本作のみならず、ここまで読み進めていただいた読者の皆様に感謝の意を表します。
ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。