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  • エッセイ・ノンフィクション

星雲は星の親

私の妻の親類縁者を見ると医者がやたらと多い。
彼女の祖母の兄は医者であった。
その祖母の1番目の弟は大阪帝国大学の医学部を出た開業医であった。そしてその奥さんも産婦人科の医師であった。
その阪大出の両親の息子と娘も共に医師になり、その子ども達(4~5人いる)もまた全員が医師になっている。
さらに祖母の2番目の弟は京都帝国大学工学部を出て後に私立大学の学長にまでなった。そしてその弟の子どももまた国立大学の医学部を出て医師になっている。
そしてさらにまた祖母の妹の旦那が医師で、その息子もまた開業医になっている。

妻の父親の弟(つまり妻の叔父)の奥さんは医師の家の出身で、その家系にも医師が多い。
妻の母親の叔母の息子は国立大学の医学部教授になっている。

親類縁者をたどっていくと学校の校長になった人はそれこそ掃いて捨てるくらい出てくるし、一流企業の重役経験者もいる。元陸軍の少将だった人物や県知事だった人とか、有名な日本画家の巨匠もいた。

翻って自分の身の回りを見てみると、大した経歴の持ち主はいない。せいぜい小学校の平教員とか役場の吏員、そして私の父親のような下級警察官などである。また、農機具の販売会社に勤めながら農業をしている人もいる。
いずれにしても、どこをどう探しても医者などは出てこない。

やはり名門の出というか、良い職業に就く人や社会の高い階層に登って行く人はそれなりにそうした集団の中から生まれてくるような気がする。
これは一概に悪いとは言えないのではないか。
知り合いの僧侶は何代も続くお寺の跡取りであるが、小さい時から親の姿を見ているせいか立ち居振る舞いがきれいである。堂々としているわけでもないし、威張っているわけでもないが、見ていて所作にすきがなく流れるように動いていく。
こういうのは普通の家に生まれて僧籍に入ったような人にはなかなか真似のできないことではないか。

1件のコメント

  • そうでもない。世襲は本人のためにならない。適材適所がある。職種を選べる自由をもたせるほうが大事だ。
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