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大陸:アフリカ大陸とユーラシア大陸の間くらいの大きさ。未踏地帯が多く、わかっていないところも多いが、北部は森林と万年雪の山脈があり、白エルフ族や小トロール族の里がある。山脈は越えることができないがその向こうに不老不死の種族が暮らす国があると言われている。東北部には大きな帝国があるが、バイスローゼン王国やローゼンシュバルツ王国とは交易していない。
大陸の中央部にはバイスローゼン王国やローゼンシュバルツ王国が大国として鎮座している。風土は森林地帯とともに穏やかな気候で四季があり、麦や様々な作物がとれ、豊かな土地である。さらに西にゆくと平原地方=サバンナが広がっている。この地域は人の足跡はなく、野生の動物やモンスターの王国である。気候は乾季と雨期が交互にくる。
南は砂漠地方が広がっている。平原地方から砂漠地方にかけて小王国群が点在していて、それぞれが独自の文化や風習を持っている。
キーロフ平原:ヴァイツローゼン王国の南部に広がる平原。地球で言う所のサバンナ気候で点在する森、低木と葦の原が多く見られる。地球と違うのは水資源が多いこと。土地の隆起などで、百年単位で川の流れが変わる。
西部の魔族達はこの地域はダンジョンと考えている。
元は大型の魔物が多く、開拓がなかなか進まなかった。南部の小王国領との街道が整備され、ロートバルトが発展した。
魔物の素材や薬草、鉱石といった採集が冒険者たちの大きな仕事であるが、そのルートは流れが変わって枯れた川が道となっている。
気候は夏季は日中と夜の寒暖差があり、よく朝霧が出る。
ロリが来たところはトンべと呼ばれる谷で比較的西欧に近い気候で森に囲まれている。
バイスローゼン王国:大陸の二大大国の一つ。
文化レベルは中世ヨーロッパのフランスあたり。陸軍大国。王家による伝統的支配体系が続く。貴族たちは各地の領主の側面もあり、自前の軍を持つが王国軍が強く、反乱は見られない。緩やかな中央集権体制で各地の自治権は認められている。王国は領主たちから税金を取り、それで国を運営している。
ローゼンシュバルツ王国:大陸の二大大国の一つ。
文化レベルは中世ヨーロッパのドイツあたり。陸軍大国。伝統的支配が強く、完全な中央集権体制。バイスローゼン王国よりも農作物の収穫が少なく、そのために領主である貴族が単体で力を誇る余裕がなく、王国が介入している代わりに直接税を徴収し、領主の大きさや格によって予算を下ろしている。このため、領地を持たない法衣貴族(官僚)も多く、バイスローゼン王国に比べて貴族の力は低く領主軍は編成することができず、私兵を持つと即刻王国軍がやってくる。農作物が少ない代わりに鉱山や加工品を製造して輸出している。
*バイスローゼンとローゼンシュバルツの関係と『婚約戦争』
大陸の中央から南部にかけての覇権国家であり、潜在的なライバル国であるが、ローゼンシュバルツはバイスローゼンから小麦などの農作物の輸入をバイスローゼンはローゼンシュバルツから鉄の加工品や北西部の冬に必需品である薪などの燃料を輸入する関係で、決定的に外交関係を悪くすることができない。
ただ、シュトロホーフェン公爵&ノイエハイデンブルグ辺境伯領は王国初期からの領地の線引きでもめているためにここが潜在的な火種になっている。
物語がはじまる前の戦争はお互いの子息、令嬢が駆け落ちをしてしまったことから、はじまる。共に婚約者がいて、両王国の政治的力関係に強く関わりがあり、責任のなすりつけ合いがはじまり、逃げられた婚約者の家も強く押したため(婚約破棄に伴う賠償金の請求など)引くに引けなくなってしまい、時折おこる騎士同士の争いごとから紛争に発展、お互いの貴族のつながりも援助をはじめて、大きな戦争となってしまう。
王家はどうにかおさめるつもりであったが、緊張状態の地域であったために王国からの予算も配分されていたためにどちらも大きな武力を持っていたことから、力をそごうとする国の企みもあり、ある程度疲弊するまで放任していたことが経済のバランスを崩し、いくつかの貴族が戦費の借入金で潰れてしまう。
結果的に両貴族は力も落とし、名も落としてしまう。
冒険者ギルド:一般的なファンタジー小説の冒険者ギルドと同じ。国の機関ではない。ギルドの歴史は古く、王国以前からあるために国家権力の関与はできない。
冒険者の資格を持つと各国のギルドで同じように働くことができ、口座から貯金を下ろすこともできる。
ギルドは各国の物価を参照にして依頼の金額を一定にしている。
また依頼の成功率、成功数などを参考にしてランク制をひいている。ランクが上がると高額な依頼を受けることができる。ランクが上がると社会的信用も上昇するので、貴族らから依頼や召しかかえの誘いなどがある。ランクが上がらなくても成功率が高く、依頼主の満足率も高ければ、ギルド職員として再雇用のチャンスがある。
『みなし冒険者』制度はロートバルトではじまった制度で『婚約戦争』の戦後の救済制度の一つとして瞬く間にヴァイツローゼン王国、ローゼンシュバルツ王国に広まった制度である。十五歳までは冒険者になれないが家庭の事情などで働かざるを得ない子供達を集め、事故補償や救済措置、教育制度も含めた制度を設計して、その代わりにそれほど高額な依頼料は払えない。またギルドのある街の領主、商業ギルド、職人ギルド、教会などに冒険者ギルド職員が営業に行き、依頼を集めてくる点でも新しい救済モデルである。
マムルク:南の小王国群の男達が出稼ぎの一手段としている傭兵団。騎馬兵として、世界有数の戦闘能力を持つ。弘安の世界ではイスラム世界の奴隷身分の白人種が名乗っていたが、こちらでは黒人達が自分たちで名乗る。契約として奴隷身分となるが、雇用主からはその強力さと実直さから信用されている。サラディンは傭兵団長の敬称で名前ではない。
経済
生産活動は概ね中世〜近世の欧州〜イスラム圏。過去に異世界の日本人が来ていたのではないかと思われる痕跡があるが、定かではない。いったん中世で失われたギリシア、ローマ時代の文明も生き残っていると思われる。
お金の単位:タラ。1タラ=100円。1タラ=100サンチ。
日本との比較では、卵10個;270円=2.7タラ
魔法: 魔法とは、人間の意志を世界の事象に適応することによる技術体系である。
人の意志介在のために、魔法自体に黒魔法、白魔法の区別はなく、悪意の有無など使用
の違いが黒魔法、白魔法と呼ばれる。
火、水、土、風の4大元素とエーテルと呼ばれる光を伝播する魔法媒体、アストラルと
呼ばれる人にしか備わらない精神を司るエネルギーを用いることで魔法が発動する。
元素は火、水、風、土という万物の原初的要素に分類される現象を人の意志だけで起こ
すことができる。
エーテルは光魔術とも呼ばれ、光を集めることや光を退けること、透明化やビームなど
も放てる。
アストラル魔術は人に直接洗脳や感情を変えることができるとともに、心霊現象の解消
ができる。
このほかに宗教魔術があり、回復や除霊ができる。
その他に精霊たちを使役する精霊魔術や降霊術、神の力をおろすことによって可能と
なる治療術や浄化などが僧侶の使える魔法となる。
ユズが使えるといった極大魔法は生命体ができると言われている魔法理論上の
方法で、大陸の東側では本当に使えるとは誰も考えていなかった魔法である。
民族
人族:一番多い。その他の種族からは手足長族とも呼ばれている。バランスいいスキルといい増えやすいのが特徴。寿命は短い。肌や髪、瞳の色とその組み合わせは一番種類が多い。
白エルフ族:北部地方から出て来て大陸に広がった。『原初の光の民(ウップルーニ=アールヴ)』と呼ばれる氏族から白エルフ族や黒エルフ族といった各氏族が生まれた。精霊魔法の使い手が多く、火属性の魔法が使えない。旅好きな人が多い。長命種で千〜七百歳程度まで生きる。
(ウップルーニは古ノルド語に一番近いと言われているアイスランド語から取りました。)
魔人族:いくつかの氏族があるがダ・ディーバ族が有名。平原の西の端に住む。人と同じくらいの寿命だが、魔力はエルフ族並みにもち、筋力、持久力、乾燥、飢餓に強い。魔人族とは魔法を使う人族の略から。別にモンスターや魔王とは関係ない。
小トロール族:原初族が小柄でヒゲモジャ、目つきが悪く、毛皮を着ていたためにトロール族の子供と間違われた。人族と交わることによりどんどん洗練された。ちなみにトロール族は巨人族とも呼ばれていて、東北部地方では集団で狩をするしか対応策がないようなモンスターである。小トロール族は伝説ではトロール族の親戚と言われているが、実は全然別の生物。
近年は小柄で若々しい見かけをしている。長命種で、だいたい三百歳くらいまでは生きる。商売上手で旅好きなので行商を生業としていることが多い。各国の諜報活動もしていることが多い。らしい。
猫族(びょうぞく):獣人族での一大派閥の一つ。家猫氏族、野生猫氏族、大型猫氏族などに分かれている。のんびりやで小トロール族とは違って一つの街に住み着き、商売をすることが多い。野生猫と大型猫氏族は冒険者をすることもある。彼らの他に犬族もいる。犬族はドワーフ族の作らない鍋や釜、装身具といった小さな鍛治仕事や木工製品などを作る職人が多い。猫族と同様に大型犬氏族は氏族同士が集まり冒険者をすることがある。
リリス族:元は魔族だったが、人と交わり、魔王の元を去ったという伝説があるが、そもそも魔王の存在自体が確認出来ていない。サキュパス族の一つで女系社会を構成している。魔力は人族よりあるも、チャームなどに特化している。
普通に食事もできるが、サキュパス特有の食事方法(吸精)も必要である。
ミルシェは吸精をしていないために栄養が足りていない。ミルシェ自身はハーフだから必要ないと思っている。教えてくれる母親がいないためにそのことがわからない。
モンスター
小鬼(ゴブリン):平原地方では一番よく見かける人間たちの敵。通常時はそれほど強くはないが、それでも開拓民や旅の商人たちは遭遇するとまず諦めるほどの力をもつ。
冒険者たちや兵士たちは一対一で戦うことはないが、相手も集団で攻めてくるために初心者パーティーだとまず勝ち目がない。原始的な社会性を持ち、狩の分担や役割を持ち、人やそれに近い種族たちが卑怯と思うことも気にせずするために厄介な相手。
成長に伴い、ホブゴブリン、ナイトオブゴブリン、アーチャーゴブリン、ゴブリンライダー、メイジゴブリン、ゴブリンキングとなる。
東側では人たちの女を捕まえて苗床にして増殖するが、中原ではメスのゴブリンがいて、子供を産む。成長するとクィーンゴブリンになる。
東側のゴブリンが頭いい理由は人族などを苗床にするために遺伝子の混入が見られ、学習能力が高くなったため。もう一つは社会性を持ったために道具使用や分業、チームワークなどを学習し、それを社会的遺伝ー子供に伝達することーができたため。
豚鬼(オーク):東の平原ではあまり見かけない。ゴブリンよりも大型で粗暴。知能は低い。学習能力を持った個体はまだ見つかっていない。大鬼(オーガ)もいるとのことだが、百年以上前から確認されていない。
飛竜:竜の名がついているが、爬虫類に近い動物とモンスターの間くらいの生物。羽ばたいて離陸ができず、高低差を利用して滑空し、風に乗って空を飛ぶ。肉食。
岩狼(ロック・ウルフ):ひたいのところに岩のような石突きがある大型のモンスター。非常に強く、群れるためにパーティーをいくつか集めたチームで狩るしか手がない。進化すると石付きが一角となり、一角狼(ブルータル・ウルフ)と呼ばれ岩狼よりも大きく、賢く凶暴になるが、数が少なく、群れることがまずない。
大陸東では小鬼と覇権争いをしている。
一角うさぎ(デスサイズ・らぱん):普通のうさぎはいるがこれはうさぎに似たモンスター。草食だが粗暴。初心者向け。