• 異世界ファンタジー

【誰に向けて書いてるかって話】



小説でキャラクターの倫理や道徳や行動や価値観や料理や建築や恋愛や死生感がリアリティないと言う割に、魔法や魔物やスキルや飛空挺にはツッコミがない。という話を耳にする。リアルとリアリティは何度も議題に上がる話だ。

まあ読者的には魔法というファンタジーがあることで、どんな可能性があるのかを見たいわけで。例えば料理にガスコンロが要らなくなるとか、洗い物に洗剤が必要なくなるとか、銃器がなくても猛獣に勝てるとか。であるならば魔法以外の要素は極めて常識に照らし合わせて作品を評価するというのは至極当然。

そもそも今書かれている小説の読者は現代の常識で物語に没入しようとするのは当たり前の話で、だいたい常識なんて時代や国や宗教によって違うでしょう。男女平等やLGBTは最近の話だし、現代人と戦国武将では死生感がもうまったく違う。古代の歴史には生け贄なんて非人道的なシステムまであったわけだ。

作品を書く以上その物語の世界観にそういった倫理や道徳といったものまで考えて描く必要があるのかもしれない。

とはいえ小説である以上感動してもらおうと思えば読者の琴線に触れねばならない。戦国武将を描いていても読者が共感できる演出は必須なわけで。
それが友情だったり義憤だったり自己犠牲だったり博愛だったり欲望だったり勝利だったり恋愛だったり。

これは現代にも通じる、ビジネスに応用できる、そうだよ偉人だって僕らと同じ人間だもの! そう思わせられたら一段上の評価が得られるかな。そこは作者の腕次第。

これがなろうの場合、この共感の範囲がすこぶる狭い。
極論すると現代人で、日本人で、「今の」ゲームやアニメの造詣が深い人。ユニークスキルとかバフとかチートとか知ってる前提で言葉の説明いっさいなし。

さりとてそれに説明入れると増長になって毛嫌いするきらいがあるという。まあゲームっぽい異世界ファンタジーを求めてるならそれがある意味現時点での最適解かもしれないね。社会システムや主人公以外の優秀な人材といった描写は邪魔でしかないのかもしれない。

てことで自分の書いてる小説は、年齢的には4,50代。レトロゲーム世代のファンタジー好き、水野良、栗山薫、田中芳樹、夢枕獏、菊池秀行、深沢美潮、ひかわ玲子、竹河聖あたり読んでた人向けという、さらに狭い狭い範囲に絞られるというね。

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する