「立つ鳥跡を濁さず」という言葉がありますが、あえて立つ鳥跡を濁すの精神で、近況ノートに同題異話SRについて思うことをつらつら書いていこうと思います。誰得なのかわかりませんが。ライナーノーツはほどほどの長さでまとめたかったので話を切りましたが、語り足りませんでした。
ライナーノーツじゃなく近況ノートなので誰が読んでくれるのかは謎ですが、おまけです。2年もやったわけですから、もうちょっと余韻に浸ります。
ライナーノーツにも書きましたが、体調に不安を抱えながらの主催でした。第1期を主催する時ですら、1年間も通してやれるかなと不安で、始めるのはとても勇気のいることでした。
最後の最後まで至らぬ主催者のままでした。僕のページを見ればすぐにわかることなのですが、毎月作品を出すこともできていません。ライナーノーツだけは皆勤しましたが、作品での参加はそう多くありません(最後の3月は参加したいのですが、これも体調次第です)。
主催者ではありますが、タイトルを出した後はいち参加者としてのスタンスでやらせていただきました。本当に至らぬところばかりで、それでもお付き合いくださったみなさんには最大級の感謝を捧げたいと思います。
幸せな時間でした。第2期をやれたのはそんな気持ちの後押しもあってのことでした。
もっと大人気企画に育てる野望もあったのですが、結局それはかなわず、また、SRはSRらしくありたいとの思いも強くて、結果、わがままなタイトルばかり並んだ気もします。ハードモードは我ながら意地悪だなあと思いつつ、これもSRだからと思ってやってました。
ここで第1期からのタイトルを振り返りつつ、今思うところを書いてみたいと思います。2年間のうちに、SRは僕の日常の一部になりました。なので最初の頃の初々しい気持ちはもうありません(苦笑)。
・桜花一片に願いを
最初は「みなさんのイメージの助けになれたら」という考えでタイトルをつけてたんですよ。タイトルを見た瞬間にぶわっとイメージが浮かぶのが理想というか。次第にそのコンセプトは忘れられていきましたね(苦笑)。
思い出深い第1回であるはずなのですが、2年も前のこととなると、なんか別の自分が考えたようにも思えますね。
・きみに会うための440円
これは友達に「いいタイトルだ」との評価をもらいました。440円の使い道というところが良い塩梅で、120円だったり1000円だったりしたらもっと違っていたでしょう。
・字句の海に沈む
個人的には大失敗したなあと思っています。エッセイや詩を書きやすいように考えたタイトルなのですが、やっぱり小説を書く人が多くて、難易度が爆上がりしただけでした。
なのですが、それでも参加作品数は減らず、SRハードモードの始まりになっちゃいました。このタイトルがなかったらハードモードという試みはなかったかもしれません。
・夏思いが咲く
ライナーノーツにも書きましたが、「夏思い」は造語です。ひとつ造語でやってみたかったというだけで、深い考えがあるではありませんでした。
造語をひねるのに苦労したので、二度目はありませんでした。
・一夜のキリトリセン
綺麗なタイトルという評がありましたね。個人的にも気に入っています。
この頃からもうすでに当初のコンセプトを忘れてますね。さすがにこれでは秒でイメージは湧かないでしょう。
SRのSRによるSRらしいタイトルが多くなっていきます。
・夕紅とレモン味
これ迷走の結果なんですよね。みなさんの情熱に感謝するところなんですが、どんなタイトル出しても参加作品数がほとんど変わらないんですよ。どんなタイトルが人気だったのか謎だったんです。
わかりやすい、書きやすそうなタイトルを試してみようとなって、こんな感じになりました。今から思えば、SRは書きやすさとは無縁だった気がします。
・愁いを知らぬ鳥のうた
これが唯一の大成功だったんですよね。理由はわかりませんが大人気で、たくさんの作品が集まりました。最終的に50作集まったんですが、そんなに集まったのはこれきりでした。
そんなに良いタイトルですか? いや良いのは感じるんですけど。何か不思議な魔力でもあるんでしょうか。
・記憶を踏みつけて愛に近づく
SR=難しいの図式を作ってしまいましたね……。
「つまり過去を乗り越えるだけだろ?」と簡単に考えて出しましたが、結果はハードモードになってしまったようです。
そろそろ諦めの境地にも至りますよね。「SRはSRだ」と。主催者の発想が偏っているので致し方ありません。
・微笑みを数える日
これは満足して出せたタイトルでした。12月のタイトルだったので、クリスマスや年末など、活かせるシーンがたくさんあると思って。
なんですけど、どんなタイトルを出してもSRって参加作品数に大差ないんですよね(『愁いを知らぬ鳥のうた』は除く)。大コケしないのはいいんですけど、主催者はいつも混乱していました(苦笑)。何を求められてるのかさっぱりわからなくて。結局、主催者のセンスが優先されることになります。
・その涙さえ命の色
主催者のセンスが優先された結果、これですよ。
これ、僕が参加者だったら半ギレになると思います。これでどうやって書けというのかって。いや、詩を書いて参加したんですけどね。
SRの参加者のみなさんはとにかく我慢強くて……。暴動を起こしてもよかったと思いますよ?
・きみの嘘、僕の恋心
これは思いっきりバレンタインデーを意識した2月のタイトルですね。
1年間通してやったものなので、少なからず季節は意識しました。季節ものばっかりにならないようにバランスを取りつつ、乗っかれるものには乗っかりましたね。
この時に「第2期開催予定です」って言ったんですが、心の中では「正気か??」ってツッコミ入れてましたね。泥船で宝の島を目指す気分でした。楽しかったからいいんですけど。
・桜花は一片の約束
第1期ラストのタイトルです。第2期やりますって言ってたので、別れの言葉は入れず。もう一度最初からやりますよみたいな感じで原点回帰しましたね。
1年やり遂げた達成感は大きなものがありました。もしかしたら今よりも達成感に浸っていたかもしれません。初年度の冒険は何もかも手探りでしたし。いやほんと、長く続けてるうちにSRって僕の日常になっちゃって、今は達成感に浸るってノリじゃないんですよねえ。かといってそんなに寂しくもない。お疲れ様でした、という感じです。
軽い気持ちでタイトルを振り返ろうと思ってしまいましたが、24もあるんですね! 知ってました! 長いので前後編に分けたいと思います。
続きは後編をお待ちください。前編おしまい!