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どうせ誰も読まないだろうと。

ちょうわです。

カクヨム甲子園で奨励賞を頂いて、あれ、私でいいのか? と正直思っておりました。
ということで、入賞作品、最終選考作品をちょっとずつ読んでいます。私より上手な人はやっぱりいるんですよ。選考委員の方々にどう刺さったのか今でも謎ですが、自信がついたのでこれからたくさん書きたいです。

私が一番書きたいのは硬派なファンタジーなのですが、なかなか設定を作り込むのに飽きて進まないですね。
現代物が書きやすい。ということで、ひっそり書いている話は現代ファンタジーとなっています。いいとこ取り、最高。

ということで、入賞した作品についてちょっとだけ裏話的なものを書いてみます。そう、誰も読まないだろうということです。

ただ、変わった。

作品タイトル、これは応募の直前に全くいいものが思い浮かばなくてなんとなくで決めちゃったものでした。意外と。刺さった。驚きです。
特に深い意味などなく、本当にキャッチコピーのとおりです。
進化も退化も関係なく……どうせ、後にならないと変化がいいものなのか悪いものなのかわからないし、父親曰く、「人間は後からこれで良かったと思う生き物だから。」……だそうです。まんまこれがテーマの作品でした。
もしかしたら。千恵は一人をこじらせて自殺しちゃったかもしれないし、逆に一人が都合がいいことをしていたかもしれない。トラウマを克服しろと誰が言った。
ただ、千恵は遥花といたいと願っただけです。

それと、急に出てきた三人。あの子達にも特に深い意味はありません。仲が悪かったとある二人を、一人が仲裁して仲良くなったという一生出て来ない設定があるくらいです。

結局、小説に自分の理想を押し込んでいるだけにすぎなくて、私もこんな友達がほしいなってだけでして……。入賞しちゃって恥ずかしいです。

実は、入賞報告をした国語の先生に読んでいただいて、プロポーズの場面があっけない、という趣旨の感想をいただきまして……そこは文字数との戦いですね、収めきる実力がないので……難しい。

ということで、ここで自分の作品に対する話は終わりなのですが、

他の作品や作者さまについて。

しがないさん。ほんとうにすごすぎないですか!?
二年連続大賞、今年は奨励賞も。
発表の画面、授業が長引いちゃってすぐに見れなかったのですが、終わって慌てて見た時、「私の作品だやったー!」と、「この人はシンプルに恐ろしい」という感想が入り交じるという何とも言えない賑やかな心境でした。

来年もゆるく頑張りたいです。
あ、賞品で審査員の佐野 徹夜さまの小説買い漁ります。基本的に有言不実行の民ですが、それだけは誓います。お勉強します。

お疲れ様でした。

2件のコメント

  •  感想に書かなかったことと、改めて考えたことを書きます。

     登場人物がよく書けていました。
     なので作品を読んでいた時、原稿用紙換算枚数五十枚で書く話ではないと思いました。一年間の話を、三百五十枚くらいで書いて、小説すばる新人賞あたりに出してみたらどうかしらんと頭の中でつぶやきながら、『ただ、変わった』の感想を書いていたことを覚えています。
     キャラを深掘りして描くには、枚数が必要になります。作品にもよりますが、主な登場人物には少なくとも五十枚くらい必要です。
     カクヨム甲子園のロングストーリーの字数は原稿用紙換算五十枚なので、登場人物が増えれば増えるほどキャラを深く描けません。ですから、本作は一般の長編と同じくらいの文量が必要だろうと感じました。
     そんな事を言いだしたら、カクヨム甲子園をはじめ、短編は深く書けないのかといったら、そんなことはありません。一人称にすれば主人公が、三人称にすれば別なものが深く描けます。
     たとえば大賞の『クレーのいた冬』には登場人物が二人いますが、それぞれのキャラを描いているわけではなく、二人の関係性を深く描いているのです。
    『ただ、変わった』でも二人の関係性を描いていますが、後半に三人が登場し、五人でラストを迎えます。なので本作では、成長とともに変化する人間関係が描かれていたといえるでしょう。
     そう考えると、告白や三人との関係などは描写不足に感じます。書きたい話を規定枚数内で納めて書き上げることはできても、不足部分をまとめきれなかったところが、もう一歩及ばなかったところかもしれません。
     
     しがないさんの『クレーのいた冬』がうまくまとまっているのは、冬だけを取り上げ、現在過去未来の順番で一年余りの二人の関係を描いているから。描いている内容は実質、数カ月の出来事です。
     加えて、クレーの絵と恋愛の二つを混ぜておきながら、相乗効果を生む書き方をしているところが、なお良い点です。ラノベの主人公にみられる恋愛には疎い主人公で話を展開させているため、二つの設定を相殺することがなかったのでしょう。

     また、しがないさんの作品には、白と黒があります。
     黒は死を題材にし、白は読者が読みたそうな明るい作品。
     本質は黒と思われ、死を感じさせるものを本人は書きたいと推測します。それでも意識して白の作品も書き、大賞を取られているところが素直にすごいところです。
     
    『ただ、変わった』も、回想を用いて現在過去未来の順番でまとめられないか、と考えてみました。可能だと思います。ただ、二人の告白場面の字数は稼げる反面、後半の三人が登場することで二人のムードが冷めてしまう気がしました。
     一つの小説に興味深い二つを混ぜ合わせると、読者に対する効果は二倍になるどころか二分の一になってしまう、効果反比例の法則とよばれる現象が起きる可能性が高いからです。
     時系列で順番に書かれている現在の形でも、三人の登場は唐突な感じがあります、前半にさり気なく出しておくことで多少は解消されるはずなので、男子とぶつかった場面を三人とぶつかったことにしておくと、後半に登場した時に読者は、ぶつかってから仲良くなったのかもしれないと想像することもできるので、違和感が減るのではと考えました。
     ですが、五十枚の文量で五人を深く描くのは、字数は足らないです。ダイジェストっぽくなりかねません。三人を一チームとみなしても、もう少し文量が欲しいのが本音です。
     ということは、三人を登場させるのを諦めて、二人の話でまとめ上げるのがベストだったかもしれません。ただし、作品としてうまくまとまったとしても、賞が取れたかはわかりません。
     本作品にはむしろ、三人を出すのは必要だと思います。
     二人だけの世界より、さらに外の世界を感じさせるには三人の存在は欠かせないからです。

    「私もこんな友達がほしいなってだけでして」
     いちばん大事なことが書かれています。
     自分にとって一緒に過ごして居心地の良い、友達と思える人は主人公になれるのです。共感でき、無視できず、気になってしまう人が主人公の条件であり、自分らしいものを書くためには必要な視点です。
     読者も、友だちになれるような登場人物がいると読み進めやすくなります
     
     三百五十枚くらいに話を作り変えるなら、四章くらいに分けて、一と四章は八十枚くらい、二と三は百枚で書く。
     一章は夏休みまで。二章は三人と仲良くなって、疎遠になってしまっている状況まで。三章は公園に待ち合わせから告白まで。四章は残りラストまで。こんな感じで一年間を描いたら、本作は読みごたえのある作品に仕上がるのではと想像しました。
     
     こういうことを感想に書かなければならなかったのですが、当時は時間が足らなくて書けませんでした。
     申し訳有りません。
     勉強、がんばってください。

  • わざわざこんなところまで来ていただき、ありがとうございます。

    私の中で感じていた、なんでうまくまとまらなかったんだろう、というのが解消されました。snowdropさんからたくさんのアドバイスをいただき、学ぶことがたくさんあって、本当に感謝の言葉しかありません。

    snowdropさんに仰っていただいたことを軸に、これから更に精進したいと思います。
    体調が優れないこともあるようですが、どうかご自愛ください。
    的確で、作者それぞれに寄り添ったアドバイスを待っている人は、私の他にもたくさんいるはずです。
    本当にありがとうございました。
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