雨が降っているんだ。
女の子が窓辺に座っている。
女の子といっても、二十代半ばくらいかな。
それがすっごく綺麗な女の子なんだ。
少しだけふくよかで、穏やかそうで、眉がすっと長くて、目は二重で。
鼻筋は通っているけどそれほど高くなく、柔らかそうな口元が印象的なんだ。
コーヒーとワッフルの置かれたカフェのテーブル越しに、窓が外の景色をぼかしている。
雨で窓が濡れているからなんだ。
どうやら夕暮れ時らしい。
女の子は物思いに耽ったり、雨にけぶった外の景色を眺めたり。
だけどただひとつ、その子は本当に綺麗。
多分性的な香りを微塵も漂わせていないからだと思う。
それが逆にホントに綺麗なんだ。
そんな女の子を眺め、カフェにあかりが灯り、外の街灯が輝く頃、僕はあることに気付かされる。
概要欄には、女性はAI画像と注釈がある。
ちぇっ、そうだよな。
こんな綺麗な子、現実にはいっこないよな。