せっかくなので、『諜報員明智湖太郎』の宣伝がてらの裏話です。
前記作品は、以前からお話ししている通り、公募用に書いた(実はまだ推敲中で出していない)小説のスピンオフです。
そっちの小説は、無番地の紅一点、当麻旭ちゃんが主人公です。
彼女のキャラのコンセプトは『朝ドラヒロイン』です。
逆境にも負けず、元気で前向きで、正義感が強くて、かわいいけど垢抜けず、でも才能はあるので、いつの間にか周りを巻き込んで大きなことを達成してしまう女の子。
おばちゃん(おばあちゃん?)受けはする良い子だけど、多分リアルにいたら、ちょいウザがられる。
リーガルハイのガッキーみたいに。
そんな子が、男社会の昭和初期の諜報組織に配属されたら面白いぞ。
敬愛してやまない『ジョーカーゲーム』のD機関は、感情的になる女を採用しない主義だけど、敢えて頭は切れるけど、感情的でやる気が空回りしている子を入れてみよう。
どうせ入れるなら理由は不明だが、新人でおたおたしてるのに、キャリア採用なんかされちゃって、男性スパイたちに疎まれているところからスタートし、女性リーダーとして成長していくような話にしよう、と思い立ち、書いた話です。
だから、『諜報員明智湖太郎』の最終話はあんな事故が発生したのです。
男性スパイのキャラを生み出していく過程で、明智は『一番女性管理職に反感を抱いている頭の固い、いつもイライラしてる黒髪眼鏡』から出発しています(笑)
佐々木の旧友だとか、地方出身でコンプレックスが強いとか、生真面目で恋愛下手な設定もその頃、既に生まれていました。
ちなみに、下の名前はありませんでした。ただ明智です。
イメージ的に、明智小五郎よりは、咬ませ犬要素の強い『金田一少年の事件簿』に出てくる明智警視の方が近いです。
『湖太郎』という名前は、今回のスピンオフを書く際に決めました。
無番地内で囁かれる噂によると、探偵小説好きの『明智湖太郎』が明智小五郎に憧れて拝借した名前だとも。
ただ、『小』が小さくまとまっている気がするし、『太郎』とすると『小五郎』より格上な印象がして失礼だと思い、『湖』太郎にしたとかしないとか。
そんなこんなで、明智湖太郎という男は誕生しました。
私は殆どの場合、小説の登場人物の名前やキャラは、物凄く適当にフィーリングで考え、後から色々練って、命を吹き込みます。
だから、佐々木とか近藤とか山本とかみんな名前が平凡なんです…。
彼らの名前の由来については、また別の機会に。
総じて適当ですがw
ただのヒステリック眼鏡だった明智湖太郎が、ありがたいことに読者の方々に愛されるキャラに育ったのには、自分自身でもまだ少し驚いています。