こんばんは。
この話題はいつかエッセイの話題にしようかと思っていたのですが、今日は元ITエンジニアであった私の経験から発言させていただきます。
先週の土曜日から発生した携帯電話の不通トラブル。ようやく収束したとのことですが、インターネットやマスコミでさえも、「賠償」というところに焦点を持って行きすぎているような空気が私には正直不愉快です。
賠償、即ち返金ですよね。もちろん、各社が約款の中で定めたサービス品質保障(業界用語でSLA〈Service Level Agreement〉と言います)の中で定めた条件を下回った場合、対価=料金の低減や返還を行うことはありますが、この「返金」に焦点が集まりすぎており、今後この金額が多い少ないでまた炎上する火種を抱えてしまいました。
確かに今回のことは重大な事故です。私も経験した同じようなインフラ直結の作業は通常夜中に行われ、少しでも異常が発生したときは速やかに続行か中止かを判断しなければなりません。恐らく現場は不眠不休で対応に当たったでしょう。お疲れさまでした。ただ、このような重要な作業を行う際のリスク管理というのは徹底して行われるべきではあります。
一方で、今回のことは私たちがスマホ(≒移動体通信)という媒体にどれだけ生活依存をしており、同時に各個人のリスク管理をしているかということを明確に表したと思われます。
自宅にWi-Fi環境を持っていれば(それが他社回線であればなおさら)、少なくともデータ通信は回復します。Wi-Fiルーターでも良いのです。格安SIMであれば月々数百円で維持できるのです。
また公衆電話の使い方が分からず右往左往したとも聞きます。法律に従い、公衆電話は必ず非常用電話として一定間隔で設置されているのです。スマホの料金にユニバーサル料金というものが数円入っているかと思いますが、あれは公衆電話を維持するための費用なのです。
目先の便利さや料金だけでなく、こうした起こり得るトラブルへのリスク投資というものは必要なのです。公衆電話を自信を持って使える方、そして110,119の緊急通報を自信を持って出きる方どのくらいいらっしゃいますか。
私も自宅は光回線を引いており、万一スマホがダウンしても、自宅に帰ればデータ通信や固定電話での通話は可能です。逆に停電した場合に備えてスマホがあり、固定回線を復旧させるだけの機材も用意してあります。車からの臨時給電(ガソリンの残量の管理も含め)、発電機の用意まで。概ね3日間の最低限の給電は可能にしています。
これは東日本大震災の経験をもとにしました。一番最初に復旧するライフラインは電力と通信網。その平均値が概ね3日。そこまで自力で最低限のライフラインを維持することを目的に計画し、決して安くはない投資を行ったのです。同時に、携帯基地局が非常用電源で稼働できる時間にも合わせています。
今回のことを契機に、本当に今の状況で良いのか。補償だと騒いでいる人たちにはそれでよいのか?と今一度問いかけてみたいのです。
長文、乱文にて失礼いたしました…。