異能と魔法の違いについて
結論から先に述べると、『魔法』は術式(呪文)を使って照準領域(魔法陣)を展開、離れた物体もしくは空間に対し行使する。その効果は「一次式」のものでマギオンの情報体そのものを改変する技術。
一方で『異能』は術式(公式)を使って手先などから一定の結果(解)を発動。効果は「二次式」で構成され、マギオン情報体を二乗することで二回目の観測時、現象が変化していることを強制する。
ん? 同じようなものでは? と思うかも入れませんが、能力を発動する際のアプローチが全く異なっているんです。
魔法は情報体の定義を変更。
異能は情報体の流れを強制。
例えば「1、2、3、4」というありふれた数列の情報体コードがあったと仮定した場合。
『魔法』は「一次可変数環境(魔法加算性原理)」といって、
「1、2、3、4」→(魔法発動)→「2、5、6、4」
のように、一般的に配列が代わり、数字を足し引きした結果が魔法。
事象そのものを改変し、別の事象に変化させる。
対する『異能』は「絶対二次式環境(異能平方原理)」といって、
「1、2、3、4」→(異能発動)→「1、4、9、16」
と、一般的に平方数になることが決まっているのが異能(逆に平方根を取ることもできるし、特定の数字のみならを乗算することも可能)。
観測に一定の流れを持たせ、その状態を強制する。
ここまで見ればお分かりの通り、「虚数術式」という技術は異常です。
虚数とは負の数の平方根を取った場合の仮想の数字ですから、それを為すために負の情報体を平方根する必要があります。
しかし困ったことに、実数空間には負の情報体など存在しないんですよ。
では統也たちがどうやってそれを為しているかというと、虚数空間といって情報体の海に、量子バグのような状態の情報体があってそれを引き出す能力を持ってます。
上記と異なり「i、2i、3i、4i」のような感じなので、二乗すると負の効果が出ます。これを術式負数の異能逆転効果と呼んだりしてます。
ここでは数列で表現してるのでおかしくなってますが、統也らが凄いのは、単にiを掛ける技術を持っている点ですね。
で、複素数は「a+bi」という形で知られます。複素術式・複素式ってやつですね。
異能で足し算はできないはずなので無理くり、魔法のような才能を一部引き出し可能にするか、その代償で壊れた脳を再生する術を持つかのどちらかに絞られるわけです。ちなみに虚数術式は不完全との描写がありますが、操作感が不安定というイメージです。
『蒼玉』も通常の虚数術式と異なっていて、虚数の級数みたいなものなのですが、iをかけたものを置いてる、というイメージで足してるとはちょっと違ったかなーって思ってます。
そして、虚数の魔法があると「VAI理論」の所でちょこっと描写すると思いますが、魔法は加算や配列の変更しかできないです。
では、どうやって虚数を生み出すのか、という話になりますよね?
結論から言うと「2+2=i」(勿論、こんな訳はありません)といような状態を生み出してます。実数の和から虚数を生み出すなんて出来ないのでこれが「虚数魔法」というものです。架空事象改変といって、もうなんでもアリです!!(嘘です。原理は本編で明かします)
まあでも、作品として読むだけならほぼ違わないなーって感じで全然オッケーです。
ただ、一人に対して扱える能力の数や汎用性に差があるなーくらいは思っといてください。
魔法は数列を入れ替えたりするだけで、多数の能力が生まれますから(理論上は)。
異能は二乗か、決まった掛け算、平方根などしか取れないので。
え、なら魔法の方が百強いじゃん? そんなことはありませんよ。だって――。
おっと、お時間ですね(笑)。