https://x.com/violetsnake206/status/1824950910315106796> まだ講評出てないから講評への回答的なのアレはアレなんだけどよければカクヨムとかに自作語りを作って公開してくれよなって思ってる(講評公開後の一番の闇の評議員へのプレゼントは次作を書くことです)
ということらしいので、わたしは最近はあまりやっていませんでしたが、ひとつ自作語りというやつをやってみようと思います。
とはいえ「あくまで創作の過程を公開することで他の書きたい人の参考になればいいなあ」というつもりで残しておこうと思います。
◆まずお前は誰だ
書いたものまとめ:
https://anaretta.web.fc2.com/index.html普段はミステリーとか百合とか書いています。
カクヨムと小説家になろうを作品ごとに行ったり来たりしてます。
◆制作の経過
第七回こむら川小説大賞の企画が発表されたのが2024年7月30日で、その翌日には作品の大まかな構成と方針ができてました。
こんなメモを書いています。
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【キャラ】
## 鞍馬 弦之丞 (くらま げんのじょう)
比刀真流(ひとうしんりゅう)の使い手
主人公
女癖が悪くて妻と険悪な状態になっていた
## 旅川 弥助(だびかわ やすけ)
比刀真流(ひとうしんりゅう)の使い手
ライバル
弦之丞とは十年来の仲だったが、弦之丞が虎之助の妹の千絵と浮気した挙句に自殺したのをきっかけに絶縁状態になった
## 千絵(ちよ)
旅川の妹
【コンセプト】
・ジャンルは時代劇
・主人公は妻との間に問題を抱えている浪人。そんな主人公にさる大名がお抱えの隠密から仕事の依頼。ある人物から品物を受け取って都まで届けること。
・話によれば、都にいる若殿様がさる高名な姫君に求婚したところ、結婚の条件として「xxxの黄金に光る糸」(何の糸かはあとで考える)を持ってくるように言った
・殿様は部下に命じてそれを取ることには成功したが、同じく姫君を狙っている別の殿様の手先がそれを強奪しようと狙っている
・主人公はそれを跳ね除けて物を都まで届けないといけない
・もし成功すれば若殿の覚えめでたく仕官も叶うかもしれないと釣られる
・主人公を狙ってやってきたのは主人公の旧友だった
・主人公 VS 刺客、を3回やる
・最後、親友を殺して、光る糸を届けたが、無駄骨折りになってしまう、というオチ
・「無駄骨折り」の詳細:実は隠密が気を回しただけで殿様はそれほど姫君のことが好きでもなかった、迷惑がられた
・テーマは「徒労」?
・もう一声欲しい
・無駄なことをさせた殿様の手先を始末して妻のもとに帰る。
・妻が、ふんどしに金の糸で刺繍。服を脱ぐと糸が光る。滑稽な様子に笑ってしまう。妻は笑わずに「これならもう浮気はできないでしょう?」と言われるのがオチ。
・オチは落語っぽく
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その後、のそのそと本文を書き始めて、初稿ができあがったのが8月16日でした。
ちなみに初稿はこんな感じです。
初稿:
https://kakuyomu.jp/shared_drafts/Z5YdVSYLef6FBsDaKDBfvLkxp1sfgZGxそこからちょっと色々あって執筆から離れたりもしつつ推敲(読み直して文章の修正)を進めて、修正が終わったのが企画最終日の8月17日という感じでした。
わたしは推敲の工程でかなり文章を修正します。というか、元の文章がそのまま残っていることの方が少ないです。
興味のある方は初稿と最終稿のテキストの差分を表示してみるといいと思います。
最終稿:
https://kakuyomu.jp/works/16818093083094822646◆制作の狙い
少し前に別の自主企画である「第一回 ライトノベル短編アリーナ」というものに参加したときに、講評で「武術、暴力をめぐるストーリーであることを最初にわかりやすく示した方がよい」とアドバイスをもらったので、そのあたりはちゃんと克服したものを書こうと思いました。
原稿:
https://kakuyomu.jp/works/16818093076489508846講評:
https://kakuyomu.jp/works/16818093078546437361本作がいきなり奥義で敗れるシーンから始まり、山場がその奥義を破るシーンであるのはこの点を意識した構成となります。
このため、必然的に主人公の過去を描写するのは最初のシーン以降となります。途中で主人公が意識を失い、それまでの人生を振り返る構成は「ジョニーは戦場へ行った」という作品を参考にしています。
ただし、実は作品を読んだことはなくて(絶版)、wikipediaに書いてあるあらすじしか見てないので、もしかしたら実際はぜんぜん違う作品かもしれません。
また、もうひとつの狙いは「キャラクターの最初の印象に対するギャップが後の展開で明らかになるようにする」で、こちらは今連載中の異世界ミステリー「ボスリムの女領主には探偵癖がある」を自分で分析したときに課題と感じていたことであります。
参考:
https://ncode.syosetu.com/n6887jf/特に主人公の過去に関して、最初からすべて説明したくなるのを我慢しつつ、ストーリーが展開するごとに見え方が変わるように情報を開示するように努めました。
妻の愛を取り戻すために仕官しようと危険な仕事を請け負った浪人→仕官の問題じゃなくててめえの浮気が原因じゃねえか!、という風に途中から見方が変われば狙い通りです。