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冥土喫茶第10話は、影狼の法廷と合わせてご賞味ください。

蜷 川「では、陪審員の方々の結論を言い渡します」
優 斗「陪審員って何だよ」
蜷 川「審議の模様をリモートで見て、判決を下した方々です」
優 斗「あんたらが決めるんじゃないのか?」
蜷 川「私たちは陪審員の意見が割れた時に助言するだけです」
優 斗「美帆の証言は不採用ってことか」
蜷 川「君の分まで自分が負うという発言か」
優 斗「そうだ。俺は美帆に唆されただけだ。被害者だよ、被害者、な美帆、
    お前からもそう言ってくれよ」
美 帆「ふん」
蜷 川「心配なく。ふたりのやり取りも全部見ていましたから」
優 斗「なら、俺は無罪確定だな、そうだろ。そもそもこんな裁判ごっこは無効
    だ。俺ら未成年だぞ。裁けねぇだろうが。裁きたかったら本当の裁判にでも
    かけろ!」
蜷 川「被告人が言う裁判とは更生を目的とするものか」
優 斗「そ・そうだ。叱られて謝って終わりだ」
蜷 川「ここは罪と向き合う場、更生を目的にしていない。また裁判所では裁けない
    案件を粛々と遂行する場。死神もまた神なりだ」
優 斗「勝手なことを言うな。覚えて置けお前たちを訴えてやるからな」
蜷 川「反省の欠片もない証言、情状酌量の余地は微塵もないと判定します」
優 斗「ふざけるな!」
蜷 川「では、判決を言い渡します。被告人女子こと中野美帆は有罪。被告人男子は
    無罪…」
優 斗「やったぁ~俺は無罪だ、有難う御座います、無罪・無罪…」
蜷 川「との主張は認められず、有罪」
優 斗「何言ってんだ、そんなの認められるか!」

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